わが祖国 (スメタナ)
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連作交響詩『わが祖国』 (わがそこく、Má Vlast) は、ベドルジハ・スメタナの代表的な作品で、1874年から1879年にかけて作曲された6つの交響詩から成る。
全6作の初演は、1882年11月5日、プラハ国民劇場横のジョフィーン島にある会場で行われた。この曲は、毎年行なわれるプラハの春音楽祭のオープニング曲として演奏されることが恒例になっている。
目次 |
[編集] ヴィシェフラド
Vyšehrad 『高い城』とも訳される。
かつてボヘミア国王の住んでいた、プラハの大きな城が描かれた作品。1874年に作曲された。吟遊詩人が古代王国の栄枯盛衰を歌う、という内容である。この作品の冒頭に現れ、全曲を通じて繰り返し用いられる旋律の最初の部分には、スメタナの名前の頭文字B.S.(=B♭-E♭)が音として刻まれている。
[編集] ヴルタヴァ
Vltava 『モルダウ』の名で知られる。
一連の交響詩群の中で最も知られた作品であり、単独で演奏されたり、録音されることも多い。ヴルタヴァ川(モルダウ川)の、源流近くからプラハへと流れ込むまでの様子が描かれている。1874年に作曲された。
[編集] シャールカ
Šárka
1875年に作曲された。シャールカとはチェコの伝説に登場する勇女の名である。恋人に裏切られたことによって男への復讐を決意した、という。そのシャールカが男の兵士達を策略にはめて皆殺しにする、という(男性にとっては首筋が寒くなる)内容である。
[編集] ボヘミアの野と草原より
Z českých luhů a hájů
1875年に作曲された。ボヘミアの美しい風景を音楽としたもの。途中、ドイツ風の歌やボヘミア風の歌といった民族的な旋律も現れる。
[編集] ターボル
Tábor
1875年に作曲された。ターボルとはボヘミア南部の町の名である。フス派の人々の拠点であった。フス派の戦士の不屈の戦いを描いている。彼らの間で歌われたコラール『汝ら神の戦士たち』が用いられているが、これは『ブラニーク』でも引き続き用いられる。
[編集] ブラニーク
Blaník
1879年に作曲された。ブラニークとはボヘミア中部の山地の名である。その山々の深い森の中にて1000年前のチェコ民族の守護聖人と勇士達が眠っており、チェコ民族が存続の危機に瀕した時に彼らがよみがえって救いの手を差し伸べる、という伝説がある。曲は、邪悪に覆われた祖国をその勇士達が勝利を収めて解放する、という内容である。