Z8000
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Z8000はザイログ社が1979年に投入した16ビットマイクロプロセッサである。 嶋正利によって設計され、これが一人の人間が設計した最後のコンピュータのひとつとなった。 Z80とは互換性はなく、人気を博したとは言えないものの1990年代までそれなりの需要があった。
基本的には16ビットアーキテクチャであるが、一部のバージョンは7ビットのセグメントレジスタを持ち、アドレス空間を8Mバイトまで拡張している。
レジスタセットは、16本の16ビットレジスタから成り、命令によってこれを8ビット、16ビット、32ビット、64ビットのレジスタとして使用する。 レジスタは完全に汎用であるが、レジスタ15はスタックポインタとして使われ、レジスタ14はスタックセグメントに使われる。
特権モード設定があり、ユーザモードとスーパバイザモードがあった。
Z80のように、Z8000はDRAMリフレッシュ回路を内蔵していた。 設計者を引き付ける特徴を備えていたもの、全体的に見てZ8000は十分高速とは言えず、バグも散見された。 結局、x86ファミリの影に隠れてしまった。
Z8000の実際の使用例としてはナムコの開発したアーケードゲームポールポジションが知られている。 これにはふたつのZ8002(メモリ空間が64Kバイトの、セグメントのないバージョン)が使われていた。
後継の32ビット版としてZ80000がある。