KEY THE METAL IDOL
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KEY THE METAL IDOL(キィ・ザ・メタル・アイドル)は1994年から1997年にかけて発売された全15話のOVA作品。
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[編集] ストーリー
山間の村、猯尾谷。そこに住む17歳の少女・巳真兎季子は、自身を祖父の武羅尾に作られたロボット「キィ」だと信じていた。武羅尾はある日「友を集めなさい」と言い残して、唐突な事故死を遂げる。本当にキィを思ってくれる友人を3万人集めれば、キィは人間に生まれ変われる、と。
祖父の遺言を実行するべく東京に向かったキィは、偶然に幼友達の厨川さくらと再会。更に、稀代のトップシンガー・鬱瀬美浦のライブ映像を見たキィは、3万人の友達を集める為にアイドルになる事を決意し、行動を起こしていく。
しかし、そんなキィの周囲で奇妙な事件が多発するようになる。夜の街を徘徊するロボット、PCスピーカーから聞こえる謎の歌、突如勃発する若木とDの死闘…。事件の裏にいるのは、巨大軍事企業を率いる蛙杖仁策であった。果たしてキィは、3万人の友達を集める事が出来るのか? そしてキィは本当にロボットなのであろうか?
[編集] スタッフ
[編集] 登場人物+用語
- 巳真兎季子(みま・ときこ):岩男潤子
- 主人公。通称は「キィ」。祖父・武羅尾に作られた女子型ロボットで、製造から17年経過している(と本人は信じ込んでいる)。外見は小柄で痩せ型の、普通の少女。極度な無表情と抑揚のない喋り方が特徴で、自称の通りロボットのような雰囲気を持つが、時折、内に秘めた豊かな感情を垣間見せる。
- 祖父と共に寒村に住み、地元の高校に通っていたが、祖父が死去した後は彼の遺言を果たすために上京。さくらとの再会や美浦との「遭遇」を通じ、アイドルになる事を決意する。
- 人間に対する不審感を持っておらず何度か危ない目に会うが、その度に不思議な力を発揮して乗り越えている。彼女の出自に隠された謎こそが、この物語の「キィ(鍵)」である。
- 巳真武羅尾(みま・むらお):北村弘一
- キィの祖父で、白髪白髭の柔和な老人。かつては天才的なロボット工学者として知られた人物だが、今では世間から忘れ去られ、猯尾谷で隠居生活を送っていた。
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- 猯尾谷(まみおだに)
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- 山間に位置する小さな村。キィの弁によれば「村のひと全部足したって百人にも満たない」。外界とは隔絶した独自の歴史を持つ。地元の猯尾神社に祀られているのは、芸能の神「天宇受賣命」。
- 厨川さくら(くりやがわ・さくら):長沢美樹
- キィと同郷の幼馴染にして親友。幼い頃に父親と母親が相次いで蒸発した為、二人を探して上京。その後、上京したキィと偶然に再会した。キィとは厚い友情で結ばれており、彼女を自分の家(賃貸マンション)に住まわせ、「人間になる」という夢を支援するようになる。ただし、キィの「自分はロボットだ」という発言は全く信じていない。
- キィとは対照的に表情が豊かで、豪快で行動的で、女の子らしい可愛い一面も多い。州一に惚れていて、彼の行きつけのレンタルビデオ店でバイトをする程である。州一からしばしば「ちゅうかわ」(厨川の誤読)と呼ばれる。
- 三和土州一(たたき・しゅういち):森川智之
- 東京で一人暮らしをする、いわゆる「オタク」の青年(と言っても30歳)。鬱瀬美浦をデビュー時から追っかけており、鬱瀬美浦ファンクラブの創設者にして会長。自宅には彼女のポスターやビデオ、写真集があふれていて、顔はいいのに女性にはモテないでいる。
- さくらの務めるレンタルビデオ店でキィと知り合う。その後キィを美浦のコンサートに連れて行った際、彼女の持つ不思議な力を目撃。キィを巡る数奇な運命に深く関わっていく事となる。
- 若木知葉(わかぎ・ともよ):家中宏
- 猯尾谷で武羅尾の助手を務めていた男性。学者の助手とは思えない屈強な肉体と戦闘技術を持つ、謎多き人物。キィの後を追って東京へ向かい、密かに彼女を守る「ボディーガード」となる。
- キィの持つ不思議な力について何かを知っており、蛙杖仁策やDとも大きな因縁を持っているようだ。
- 吊木 光(つるぎ・ひかる):三木眞一郎
- 芸能界で名を馳せる男性。まだ20代半ばの若者だが、プロデュース・演出・脚本・俳優など多方面で成功を収め、「ショウビジネス界の寵児」と呼ばれる。
- デビュー間もない頃の鬱瀬美浦をトップシンガーへ育て上げたことで急速に名を上げ、「天才」と呼ばれるようになった。しかし様々な事情から美浦とは袂を分かち、今も彼女に対して屈折した感情を抱いている。
- 冷淡かつ独占欲の強い性格で、同業者の評判は良くない。
- 蛙杖仁策(あじょう・じんさく):速水奨
- 巨大企業「アジョー重工」の総帥。キィの祖父・武羅尾とは昔から深い因縁があるようで、かつては共同で二足歩行ロボットの開発に取り組んでいた。キィが上京して以後は彼女の身辺を探っているが、それもロボット開発に関連しているようだ。
- 恐ろしく強欲かつ自己中心的な性格で、自分の目的を果たすためならば他者にどれほどの犠牲を強いても構わない。また、オートマータ(自動人形)の熱烈な愛好者で、生身の人間より人形を大事にしている。そのせいか独身。
- 芸能プロダクション「ミノス」のオーナーでもある。
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- アジョー重工
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- 東京に本社を構え、世界屈指の規模を誇る金属・機械メーカー。軍事兵器の製造・売買を手がけていることは公然の秘密である。
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- PPOR(ピーピーオーアール)
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- アジョー重工が秘密裏に開発を進める人型ロボット。正式名は「サイコロジカル・パワー・オペレイテッド・ロボット」。開発スタッフからは「サイプ」という略称で呼ばれる。
- 人間の精神波によって遠隔操作されるが、操縦者の心身に多大な負担を強いる。また、「ゲル」と呼ばれる燃料にも大きな秘密が隠されている。
- その機能や形態には、蛙杖の嗜好が色濃く反映されている。
- 「D」(ディー):小杉十郎太
- 蛙杖の部下で、PPOR開発チームの責任者。スタッフからは「D」というコードネームで呼ばれるが、蛙杖だけは彼を「セルゲイ」と呼ぶ。元は傭兵で、PPORの操縦に耐えうる強靭な肉体と精神を持つ。また、若木とは過去に因縁があるようだ。
- 鬱瀬美浦(うつせ・みほ):芝原チヤコ
- 絶大な人気を集める女性シンガーにして、天性のアイドル。芸能プロダクション「ミノス」に所属している。
- 13歳のデビュー時からミリオンセラーを連発し、トップスターの座に君臨しつづける。その成功には演出家・吊木の貢献もあったようだが、今は彼の元から離れている。病気を理由にしばらく芸能活動を停止していたが、1年ほどの療養を経て復活。人気は衰えていないものの、コンサートやビデオ以外では一切人前に姿を見せず、事務所の関係者にすら殆ど会わなくなるなど、謎めいた存在へと変貌を遂げている。
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- プロダクション・ミノス
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- 美浦の所属する芸能プロダクション。アジョー重工の出資で運営されている。美浦の活動に関しては全て蛙杖の独断で決定され、社長でさえその全貌をつかんでおらず、名ばかりの「所属事務所」に成り果てている。
- マエストロ:肝付兼太
- 蛙杖の部下で、PPORの設計を手がける老人。武羅尾とも深い関係を持つ。
- 巳真登美子(みま・とみこ):声優なし
- 武羅尾の妻にして、キィの祖母。故人。猯尾神社で巫女をしており、先祖から代々伝わる特別な力で村人たちの信奉を集めていた。15歳の頃に武羅尾と出会い、大きな運命の変転を体験することとなる。
- 巳真兎与子(みま・とよこ):井上喜久子
- 武羅尾の娘にして、キィの母。故人。
- 蛇目王子(じゃのめおうじ):峰恵研
- 新興宗教「金蛇救世素晴希講」の教祖。キィの持つ力に目をつけ、それを利用しようとする。ずるがしこい男だが人情家でもあり、どこか憎めない。
- 玉利仙市(たまり・せんいち):小野健一
- アダルトビデオメーカー「V&A」の社長。発掘した新人タレントを蛙杖に売り込むことがあり、その縁でキィや美浦に関わることになる。
[編集] サブタイトル
- #1 「Ver.1 起動」(1994/12/16 ¥2427、初回のみ¥970)
- #2 「Ver.2 カーソルⅠ」(1995/2/17 ¥2427)
- #3 「Ver.3 カーソルⅡ」(1995/3/1 ¥2427)
- #4 「Ver.4 アクセス」(1995/4/5 ¥2427)
- #5 「Ver.5 スクロールⅠ」(1995/6/7 ¥2427)
- #6 「Ver.6 スクロールⅡ」(1995/7/5 ¥2427)
- #7 「Ver.7 ラン」(1995/8/2 ¥2427)
- #8 「Ver.8 ゴー・トゥ」(1996/2/7 ¥2427)
- #9 「Ver.9 リターン」(1996/3/6 ¥2427)
- #10 「Ver.10 バグ」(1996/4/3 ¥2427)
- #11 「Ver.11 セーブ」(1996/5/2 ¥2427)
- #12 「Ver.12 ヴァイラスⅠ」(1996/7/3 ¥2427)
- #13 「Ver.13 ヴァイラスⅡ」(1996/8/7 ¥2427)
- #14 「Ver.14 システム」(1997/3/21 ¥9500)
- #15 「Ver.15 終了」(1997/6/18 ¥9500)
- ※各話のサブタイトルはパソコン用語から採られている。
[編集] 外部リンク
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