GTK+
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開発元: | GNOME Foundation |
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最新版: | 2.10.6 / 2006年10月3日 |
対応OS: | クロスプラットフォーム |
種別: | ウィジェット・ツールキット |
ライセンス: | LGPL |
公式サイト: | www.gtk.org |
GTK+ (The GIMP Toolkit) はGIMPの実装のために開発されたGUIツールキットで、Gimp Tool Kitの略である。オープンソースのGUIツールキットの中での品質の良さに注目され、GNOMEデスクトップ環境のツールキットとして採用される。
GTK+バージョン2以降では、Pangoによる多言語出力環境、ATKによるアクセシビリティのサポートが行なわれている。入力メソッドが必要な日本語などの言語のためにimmoduleというプラグインスタイルのフレームワークが用意されており、XIMやIIIMFもこのimmoduleの1つとして実装されている。
GNOME環境はGTK+をベースに使っている。すなわちGNOMEアプリケーションはツールキットとしてGTK+を使っている。GNOMEに限らずGTK+アプリケーションはKDEやXfceといったGTK+ベースでないデスクトップ環境でも動作する。GNOMEライブラリを使用すると、GNOMEデスクトップ環境のさまざまな機能を使用したアプリケーションを開発することができるが、GTK+だけでもアプリケーションを構成することは可能である。
GTK+はGNUプロジェクトの一部でGNU LGPLの元で開発されているオープンソースなフリーソフトウェアである。
目次 |
[編集] 言語
Qtと違ってGTK+はC言語を使うが、オブジェクト指向のパラダイムで普通デザインする。ただC++ (gtkmm)、Perl (gtk2-perl)、Ruby (Ruby/GTK2)、Python (PyGTK)、C# (Gtk#)、Java (Java-GNOME) のような言語でもライブラリを用いることにより開発が可能。
[編集] テーマ(ルックアンドフィール)
ユーザーがGTK+の見た目を変えられる。これはテーマエンジンを切り替えることで実現されていて、沢山のテーマが提供されている[1]。これらのテーマの中にはMac OS XのAquaやWindowsやMotifやQt等の他の有名なツールキットやプラットホームをまねた見た目を提供するのもある。
[編集] GTK+2
GTK+2とはGTK+1の次のバージョンのGTKとして開発されたツールキットである。Pangoによる多言語テキスト出力、新テーマエンジン、ATKによるアクセシビリティサポートの向上、UTF-8によるUnicode環境への移行などがされている。GTK+2はGTK+1と互換性がないので、GTK+1用のプログラムをGTK+2環境で動かすにはGTK+2用にソースコード等を修正する必要がある。いくつかのアプリケーションは軽量さや埋めこみアプリケーションに適しているなどの理由からオリジナルバージョンを使いつづけGTK+1のままで使われているのもある。
[編集] GTK+2を利用したソフトウェア
[編集] GTK+2 immodule のさまざまな実装
- im-canna - かんなのimmodule
- im-freewnn - FreeWnnのimmodule
- im-perl - Perlで入力メソッドを記述するためのimmodule
- im-euro - 'euro'をユーロ記号に変換して、欧米人に入力メソッドをわかりやすく説明するためのimmodule
- im-ja - im-cannaベースに、手書き入力などさまざまな日本語入力に対応
- im-ime - Windows専用のimmodule。Windows上のIMEでのインライン日本語入力に対応
- im-xim - X入力方式のimmodule
- im-iiim - IIIMFのimmodule
- im-uim - uimのimmodule