G剤
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G剤(じーざい,G-series)は、第二次世界大戦ころにドイツで化学兵器として開発された毒物の総称。German gasが語源といわれる。
G剤には、タブン・サリン・ソマン・シクロサリンが存在し、どれも二成分式化学兵器(binary chemical weapon)と呼ばれる、サリンの場合はイソプロピルアルコールとメチルホスホン酸ジフルオリドを分けて充填したものを発射し着弾時の衝撃で混合させて発生させることが考えられた。揮発性が高く、毒としての持続性を欠いたためである。
また、1936年にタブン、1938年にサリン、1944年にソマン、1949年にシクロサリンが発明され、その順にGA・GB・GD・GFと名づけられた。GCはすでに医薬品の略号として用いられていたため使われることはなかった。晩年に開発されたものほど、毒性が強い。
全て神経に作用する毒ガスで、アセチルコリンエステラーゼの働きを阻害し、アセチルコリンの異常分泌を狙ったものである。
同じころにV剤の代表格となる、VXガスも発明されている。