Conker's Bad Fur Day
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Conker's Bad Fur Day | |
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ジャンル | アクション |
対応機種 | NINTENDO64 |
開発元 | レア社 |
発売元 | レア社 |
人数 | 1人~4人 |
メディア | 512メガビット(64メガバイト)カートリッジ |
発売日 | 2001年3月4日(北米版) 2001年4月6日(欧州版) |
対象年齢 | ESRB: Mature (M) ELSPA: 15+ OFLC: M OFLC (NZ): R16+ |
『Conker's Bad Fur Day』は、レア社販売のNINTENDO64用ゲームソフト。
日本では「コンカーズ」「BFD」などと略される。
主人公のアカリス「コンカー」をはじめ、ディズニー風に可愛らしく擬人化・デフォルメされた動物などのキャラクターが多数登場する。
ただし内容は下品、不潔、残酷なネタと汚らしい言葉遣い、ブラックジョークのオンパレードである。そのため全ての発売国において高年齢向けのレーティングが適用されている。
北米、欧州のみで発売された作品だが、レア社自体に日本での知名度があり、以下に説明するように(あらゆる意味で)独特で高いクオリティを有する作品のため、N64用の洋ゲーとして日本国内でも知名度や評価が高い。
2005年に、続編に当たるXbox用ソフト、コンカー: Live and Reloadedが発売され、こちらは日本でも発売されている。
1人用モードがこのBFDのリメイク移植である。
目次 |
[編集] BFD発売の背景
BFDは当初「Conker's Quest」や「Twelve Tails: Conker 64」と言うタイトルで開発されていた。
初期のスクリーンショットを見る限り、可愛らしいキャラクターとカラフルなステージを持つ、典型的な小さい子供向けのゲームであった。
レア社は「バンジョーとカズーイの大冒険」「ディディーコングレーシング」など、子供向けのゲームの製作には実績があり、初期の「コンカー」もこれらのゲームと同じような雰囲気のゲームになると思われた。
しかし、レア社は、この「コンカー」の内容はシンプルすぎて、世に氾濫する同じような子供向けゲームの中に埋もれてしまう可能性を危惧していた。
他の“可愛らしいゲームを作る”メーカーにひどくバカにされた事をきっかけとして、「コンカー」を大幅にリメイクすると発表した。
しかしさすがに“「コンカー」が下品なネタを満載した「大人向け」ゲームとして生まれ変わる”というプレスリリースがすぐにゲーマーたちに信じられるはずも無く、当初はエイプリルフールのジョークだろうとも言われていた。
だがそのプレスは訂正される事が無く数ヶ月が過ぎ、プロデューサーChris Seavorは、サウスパーク風に「コンカー」のグラフィックや言動を変えると発表した。さらにその新たな「コンカー」の声は自分自身で当てた。
(ちなみに、BFD内でキャラクターの声を当てているのは彼を含め3名、いずれもレア社の開発スタッフである(後述))
BFDは、北米及び欧州で発売され、高い評価を得たが、大ヒットには至らなかった。
価格が高かった事と、N64最後期である2001年発売ということなどが原因であったが、NOA(任天堂アメリカ法人)がこのゲームを自社ハードのソフトとして相応しくないと見たことも相当に影響していたと思われる。
NOAは、可愛らしいグラフィックに騙されて、このゲームを子供がプレイする可能性を危惧していた。
そのため、NOAはパッケージ表面にESRBの「M(Mature)」マークを大きく表示する事と、17歳以上対象であるという警告文を「Warning」付で表示する事を要求した。
さらにNOAは自社のゲーム紹介冊子「NINTENDO POWER」内でBFDを紹介することを拒否し、テレビCMは深夜のケーブルTVのみ、雑誌広告はPLAYBOYのみと数々の制限を課した。
NOAのウェブサイト内では、BFDとその後に発売された「Conker's Pocket Tales」が紹介されていなかった、という情報もある。
しかしながら、これらは同時にBFDがいかに衝撃的なゲームであったかを表すエピソードであり、ファンの間では逆にこのような状態は楽しむ対象ですらあった。そしてこのようなNOAの仕打ちが逆にゲームの話題性を上げる結果となったという意見もある。
[編集] グラフィックとサウンド
レア社は「ハードの性能を最大限に引き出すメーカー」として定評がある。BFDはレア社がN64で最も後に出したゲームであり、そのためBFDのグラフィックは、「N64史上最もグラフィックが美しい作品」と各種ゲーム雑誌やウェブサイトで評価されている。
- キャラの近くに着色光源を置いた、動的なシェーディング
- ドローディスタンスが非常に長く、遠景を霧でごまかさない(N64のゲームではほとんどない)
- 顔面のアニメーション
など、まだゲームの世界では珍しかったグラフィック技術を多数取り入れている。
しかし、密度の高い描画により、フレームレートが低下する場面もあり、これについては賛否両論である。
サウンドについて特筆すべきは、多種多様のボーカルトラックが収録されていることである。
「スターフォックス64」などと同じか、それ以上の評価を得ている。
[編集] ストーリー
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
コンカーは、同棲中の彼女「ベリー」に「戦争に行く友人たちの壮行会に呼ばれたので遅くなる」と会場の飲み屋から電話をするが、彼女はエアロビクスに夢中で電話に気づかない。
その後しこたま飲まされ、泥酔状態で店を出たコンカーは家とは逆方向に歩いていってしまい・・・
- Hungover チュートリアル用のステージ。見知らぬ場所で、ひどい二日酔い状態で目を覚ましたコンカーは、かかしの「バーディ」と出会い、ゲームの操作を教わる。その後橋を塞ぐガーゴイルと戦う。
- 登場キャラ
- バーディ(かかし):コンカーに操作を教えてくれる。変なものを飲むのが好き。
- ガーゴイル:200年間柱の上にいてストレスがたまっている。
- 博士:いわゆるマッドサイエンティスト。「コンカー: Live and Reloaded」に登場する「クリプルズバック」のその後の姿と思われる。
- パンサー大王:おとぎ話に登場する大王。なんと実在していた。強大な力を持つようだがゲーム中では見られない。
- Windy 大きな風車が立っている、風光明媚な野原。ゲーム前半部分に登場する他のステージはここを中心に配置されている。女王蜂など、いろいろなキャラの頼みを聞きながら各所を回る。もちろん「ウンコ山」にも入れる。
- 登場キャラ
- 女王蜂:旦那の浮気に困っている。不細工だが射撃の腕はなかなか。
- フンコロガシ:ウンコ山の中に店を構えており、ウンコ玉を作ってくれる。
- 牡牛&牝牛:牡牛は性欲に満ち溢れているが、牝牛は色気より食い気。
- Barn Boys 納屋とその周辺のエリア。納屋の中には、ペンキ缶たちにいじめられている牧草フォークがいる。その後干し草の巨大ロボと戦う。
- 登場キャラ
- ロン(ペンキ缶)&レグ(刷毛):いつも2人でつるみ、牧草フォークをいじめている。
- ヘイボット:巨大干し草ロボ。
- ヒマワリ:巨乳。ミツバチ(前述の女王蜂の旦那)に受粉させられる。
- Bats Tower 川に棲む「ニャン魚」から、「ブルドック鮫」が守る金庫の中にある彼女らの財産を取り戻してくれと頼まれる。しかしニャン魚はコンカーの機嫌を損ねてしまい…。
- 登場キャラ
- ニャン魚:いわゆるセレブ。だがケチ。
- ブルドック鮫:非常に獰猛。
- 歯車男&愛人:4枚一組。コンカーの活躍により愛人たちは自由の身に。
- Sloprano 巨大な「ウンコ山」の内部に入り、ウンコ大王「Great Mighty Poo」と彼の歌をBGMにして戦う。その後、ディスポーザーが装備された下水道を抜け、前半のステージとは別のエリアに進む。
- 登場キャラ
- ウンコ大王:歌がうまい。好物はスイートコーン。
- Uga Buga 岩人間たちが支配する、原始人の国。はからずも原始人たちの信頼を勝ち取ったコンカーは、ディスコの中で誘拐されたベリーと出会う。その後恐竜に乗ってコロシアムで巨人と戦う。
- 登場キャラ
- 赤ちゃん恐竜:コンカーを親と思い懐いてくるが最後はコンカーに利用されてしまう。
- 巨人:文字通り、この世界の大ボス。体は大きいがパンツを取ると…
- Spooky コンカーは「Windy」の場所に戻ってくるが、いつの間にか夜になってしまっていた。死神の頼みを聞き、ゾンビを倒しながら進むと、コンカーは謎の屋敷の中で彼の先祖と名乗る吸血鬼と出会う。なぜかコウモリの姿にさせられたコンカーは、吸血鬼の養分になる村人を捕らえる。その後ゾンビをショットガンで撃ちながら屋敷を脱出する。
- 登場キャラ
- カウント・コンクラ:コンカーの先祖。吸血鬼で300年生きている。
- グレッグ(死神):序盤で「残機」の説明をしてくれるがここで再登場。背が小さく声が高いため迫力がない。
- It's War なぜかコンカーは邪悪なテディベア軍との戦争に行く羽目に。プライベート・ライアンのパロディが満載。
- 登場キャラ
- ロデント:コンカーの友達。テディベア軍の捕虜になっていたが、試作品の丈夫なアーマーのおかげでコンカーとともに戦争を生き延びる。
- Heist 戦争から戻ったコンカーはマフィアのボスに銀行強盗の任務を頼まれる。なんと誘拐されていたベリーがパートナーとしてやってくる。2人は無事に任務を成功させ超大金持ちになるが、博士の野望に巻き込まれてしまう。コンカーは死んでしまったパンサー大王の代わりに世界の王になるが、失ったものはあまりにも多かった…
[編集] 声優
Chris Seavor メインプロデューサー
コンカー他、下記以外のキャラクター全員
Louise Ridgeway アニメーター
ベリー他、女性キャラ全員
Chris Marlow メインプログラマー
The Great Mighty Poo