魍魎の匣
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魍魎の匣(もうりょうのはこ)は日本の小説家・推理作家である京極夏彦の長編推理小説、妖怪小説、京極堂シリーズ第二弾。著者はこの作品で第49回日本推理作家協会賞を受賞した。映画化が決定している。
目次 |
[編集] 概要
[編集] 経緯
- 1995年1月(平成7年) 講談社ノベルス『魍魎の匣』刊行。
- 1996年5月(平成8年) 『魍魎の匣』で第49回日本推理作家協会賞受賞。
- 1999年9月(平成11年) 『文庫版 魍魎の匣』が講談社文庫より刊行。
- 2004年1月(平成16年) 『愛蔵版 魍魎の匣』(四六判)が講談社より刊行。
- 2005年6月(平成17年) 『分冊文庫版 魍魎の匣』が講談社文庫より刊行。
- 書籍情報
- 魍魎の匣 1995年 ISBN 4-06-181812-0
- 文庫版 魍魎の匣 1999年 ISBN 4-06-264667-6
- 愛蔵版 魍魎の匣 2004年 ISBN 4-06-212254-5 (四六判)
- 分冊文庫版 魍魎の匣 上 2005年 ISBN 4-06-275111-9
- 分冊文庫版 魍魎の匣 中 2005年 ISBN 4-06-275112-7
- 分冊文庫版 魍魎の匣 下 2005年 ISBN 4-06-275113-5
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] あらすじ
暗い性格で友達もいなかった楠本頼子は、クラス一の秀才で美少女の柚木加菜子に突然「僕たちは互いが互いの生まれ変わりなんだ」と声をかけられる。 不思議な事ばかり言い、難しい文芸雑誌を読む加菜子に戸惑う頼子だが、互いに孤独だった二人は親交を深め、2人で最終電車に乗って湖を見に行こうと約束するが、加菜子はそのホームから転落して電車に轢かれる。
その電車に、たまたま勤務帰りの木場が乗り合わせていた。木場は加菜子が運ばれた病院に向かうが、そこへやってきた加菜子の姉・陽子を見て目を疑う。彼女は木場が密かに憧れる女優・美波絹子に瓜二つだったのだ。
瀕死の重傷を負った加菜子は、謎の研究所に運ばれ、集中治療を受ける。 実は加菜子は、絶対に死ぬわけに行かない身分の娘だったのだ。
その頃、多摩を中心に、美少女のバラバラ死体が相次いで発見される。事件を取材する敦子と、それに付き合っていた関口、鳥口は、森の中で道に迷ううちに、謎の建造物を見つける。 それは正方形の巨大な、まさに「箱」だった。
そして、厳戒態勢の中、加奈子は忽然と姿を消す。木場は、陽子が加奈子を誘拐する予告状を持っているのを見つける。
[編集] 登場人物
主な登場人物は京極堂シリーズを参照。
[編集] 柚木加奈子殺人未遂、誘拐事件の関係者
楠本 頼子(くすもとよりこ)
- 私立に通う中学二年生の女学生。不遇な家庭環境に育ち、暗い性格のため友達もできなかったが、
- 自分を「自分たちは互いが互いの生まれ変わり」という加菜子と親しくするうちに変わっていく。
柚木 加菜子(ゆずきかなこ)
- 頼子の友達。
- 一人称が「僕」で、男のような喋り方をする。
- 生まれ変わり、天女など、不思議な発言が多いが、実際は…
柚木 陽子(ゆずきようこ)
- 加菜子の姉。
- 芸能活動を行っていた過去があり、当時の芸名は美波絹子(みなみきぬこ)。
雨宮 典匡(あめみやのりただ)
- 柚木姉妹を世話している青年。掴みどころがない。
増岡 則之(ますおかのりゆき)
美馬坂 幸四郎(みまさかこうしろう)
須崎 太郎(すざきたろう)
甲田 禄介(こうだろくすけ)
福本(ふくもと)
- 武蔵小金井駅前派出所に勤務する巡査。
[編集] 御筥様関係者
寺田 兵衛(てらだひょうえ)
- 「穢れ封じ御筥様」教主。
二階堂 寿美(にかいどうすみ)
- 「穢れ封じ御筥様」事務員。
楠本 君枝(くすもときみえ)
- 楠本頼子の母。信者。
[編集] 武蔵野少女バラバラ殺人事件・被害者
[編集] その他
久保 竣公(くぼしゅんこう)
- 新進幻想小説家。美男子。中禅寺敦子の勤める「稀譚舎」の出す「近代文藝」に連載する。