首位打者
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[編集] 概説
規定打席に達した打者の中で、打率が最も高い選手に与えられる。
最多本塁打、最多打点と合わせて打撃部門の三冠と言われる。最多本塁打、最多打点が打席数の多い選手ほど有利であるのに対し、首位打者は規定打席に達した選手全員にほぼ平等なチャンスがある、凡打を考えると打席が多いほど不利になる場合もあり、他の二つのタイトルと同時に獲得することは非常に難しい。(3度の三冠王に輝いた落合博満も、三冠のタイトルで一番難しいのは打率と述べている。本塁打、打点は減ることは無いが、打率は凡打によって下がるからである。)
規定打席の例外規定として、規定打席に満たない場合に不足分の打席を凡打として加算し算出された打率が規定打席到達者の打率1位の値を上回れば、規定打席未到達でも首位打者と認定される。1軍で適用された例は未だないが、2軍ではイースタン・リーグで1972年に長井繁夫(ヤクルトアトムズ)、またウエスタン・リーグで1997年にジェームス・ボニチ(オリックス・ブルーウェーブ)、2002年に川崎宗則(福岡ダイエーホークス)、2006年に狩野恵輔(阪神タイガース)がこの例外規定により首位打者となっている。メジャーリーグでは1996年にトニー・グウィンが同様の制度により首位打者を獲得している。
[編集] 変遷
日本プロ野球当初は打率こそが打者を評価する最大の指標と考えられており、打率1位選手が打撃王として表彰されていた。打撃部門のタイトルはしばらくこの打撃王1つだけだったが、戦後のホームランブームを経て、打率、本塁打、打点の3部門が打者の打撃能力の指標として定着し、打率1位選手を指す表現は「首位打者」に変化した。