風と木の詩
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『風と木の詩』(かぜときのうた)は竹宮惠子による大河ロマン漫画作品。
「週刊少女コミック」(小学館)に、1976年第10号から連載開始。1982年7月号から、連載誌をプチフラワー(小学館)に変えて1984年まで連載された。全2部構成。男性同性愛の描写がある少女漫画としては萩尾望都『トーマの心臓』等が先行するが、男性キャラクタ間の性交渉を明示的に描いたのはおそらくこの作品が最初であり、発表当時の読者に大きな衝撃を与えた。また、以降の少女漫画にも影響を与えたと考えることができる。
第25回(昭和54年度)小学館漫画賞受賞。
[編集] 概要
19世紀末、フランスはラコンブラード学院の寄宿舎で繰り広げられる、思春期の多感な少年達を中心とする物語である。愛欲、嫉妬、友情、様々な人々の様々な思いが交差する中、運命に翻弄される2人の主人公:美しいジルベール、生真面目なセルジュ。純愛とも悲恋とも言える不器用な愛の形が、読者の心を打つ。
作者の竹宮惠子(当時は恵子)は一夜にして、この壮大な物語のプロットを頭に描き、翌日、親友の増山のりえに8時間かけてストーリーを話したという。漫画化されたのは、そのうちの前半のストーリーであり、後半は、増山のりえによって『神の子羊』として小説化されている。
フラワーコミックス(小学館)から全17巻。白泉社文庫版全10巻。愛蔵版(中央公論社)全4巻。フラワーコミックス版第1巻の解説では、寺山修司が熱狂的エールを送っている。また、1980年代に同タイトルでアニメーション化されている。
[編集] 登場人物
主要キャラクターは全員美形であり、女性のみならず男性からの人気も非常に高い。登場人物については風と木の詩の登場人物を参照。
- ジルベール・コクトー
- 14歳。 オーギュスト・ボウとアンヌ・マリーとの間に出来た不義の子。
- セルジュ・バトゥール
- 14歳。 貴族の父とジプシーの母との間に生まれる。父亡き後、父方の祖父の遺言によりバトゥール家の伯母にひきとられ、子爵家の跡取りとなる。アンジェリンの事件があり学院に転校してくる。
- オーギュスト・ボウ
- ジルベールの叔父。幼いころコクトー家に養子に入る。コクトー家の実の息子(オーギュの義兄ペール)の奥小姓として育ち、義兄の結婚相手アンヌ・マリーとの間に不義の子ジルベールをもうける。
- セルジュの父アスランと同い年。ラコンブラード学院時代には生徒監督制度を創設。卒業以後も学院に多額の寄付をし、生徒総監達とつながりをもつ。
- ボナール
- ジルベールを愛する、ソドミアン。
- パスカル・ビケ
- セルジュとジルベールの同級生。落第生で三回落第しているが、学年首席になり飛び級に成功する。セルジュの友。最後まで、セルジュとジルベールを見守った。
- カール・マイセ
- セルジュとジルベールの同級生でB級監督生。寮生ではなく街の下宿から通っているセルジュの友人。真面目な人柄。セルジュを好いている。
- パトリシア
- パスカルの妹。セルジュに好意をもつ。お互いに良き理解者。
- アンジェリン・カーライル・マディソン
- セルジュの伯母の娘(いとこ)。オーギュストと婚約するが破棄される。
- アリオーナ・ロスマリネ
- 生徒総監。白い王子と呼ばれている。成績は常にトップ。北欧貴族の血を引いている。オーギュストの遠いいとこ。
- ジュール・ド・フェリィ
- A級監督生。家柄ではロスマリネ家より上だが、没落貴族。そのため学費と母親の生活費をロスマリネ家に頼っている。ロスマリネとは特別な関係がある。
[編集] 外部リンク
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