随筆
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随筆(ずいひつ)とは筆者が日頃見聞きしたり心に思うことなどの感想・見聞などを主観的に、自由な形式でまとめた散文であり、文学の一形式。一般的にエッセイと同義だが、定義に多少の違いがある。また、エッセイと英語などの Essay も必ずしも一致しない。
[編集] 著名な随筆文
日本における随筆の起源は10世紀末に清少納言によって書かれた枕草子であるとされる。枕草子における日常的風景に対する鋭い観察眼は「をかし」という言葉で象徴される。その後も、鴨長明の『方丈記』や吉田兼好の『徒然草』など優れた随筆作品が輩出した。
江戸時代に入ると、随筆は武士や町人など様々な階級の人々によって書かれた。この時代の代表的な随筆として、『玉勝間』(本居宣長)、『花月双紙』(松平定信)、『折たく柴の記』(新井白石)などがある。
日本語以外の文化圏で日本語の「随筆」に相当するEssayの萌芽は古代ローマのキケロ、セネカ、プルタルコスなどの作品に見ることができるが、本格的にこのような文学形態を創始したのはフランスの思想家ミシェル・ド・モンテーニュ(Michel Eyquem de Montaigne、1533年 - 1592年)であるとされる。フランス語で(試み)を意味する著書『エセー』(essai)において、身辺における様々な事物の考察を通し、自己の内面の探求を試みた。