野外炊具1号(改)
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野外炊具1号(改)とは陸上自衛隊が保有する野外炊飯専用トレーラである。 基本性能は旧型と殆ど変わりが無いので変更点のみ記述する。
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[編集] メーカー
(契約)伸誠商事
(製造)マッキンリー社
[編集] 旧型の野外炊具1号との変更点
- バーナー点火時はガソリンと灯油の混合ではなく灯油のみで自動着火する。自動着火装置搭載により使い方を熟知していない隊員でも操作が容易になった。
- コンプレッサー以外に発電機や野外冷蔵庫、水道の蛇口を装備している。
- 水道蛇口の装備により水道やポンプからの水を直接各かまどに供給可能。(旧型は桶やホースで水を供給していた)
- 自動点火(消火)装置を装備。タイマー内蔵により設定した時間経過後自動的に消火可能。
- トレーラー部に階段とステップを設置し、作業の利便性を向上。(旧型のステップは高い位置にあり、作業性が良くなかった)
[編集] 欠点
- バーナーが自動点火となった分、簡単には取り外しが不可能で、故障時は最悪の場合トレーラー本体ごと後方支援部隊に後送する場合もある。
- 旧型はバーナーの故障時にガソリンのみで使用が可能だったうえ、使い方を熟知した隊員であればその場でバーナー自体の修理が可能だった。
- トレーラー全体が電化製品と同様の耐水性しかなく汚れた場合の丸洗いが不可能。(旧型は汚れた場合、バーナーに袋をかぶせるだけで本体を丸洗い出来た)
- 雨の中での使用に大きく制限がかかる。屋根型天幕等で雨風を防ぐ程度では故障の可能性大。屋内での使用を推奨されている。検閲等状況中に降雨の中作業していたところ天幕では防ぎきれなかった雨粒がバーナー内部のシステム内に進入し故障するという事案が発生したとの話がある。
[編集] 派生型
- 野外炊具2号(改)・・・・野外炊具1号のユニット(かまど)1個にコンプレッサーを搭載し、移動用のキャスターを取り付けたもの。ユニットとしての基本性能に変化はない。約100名分の炊飯が可能で後方部隊等に配備される。主に副食や汁などの調理に使用されることが多い。自動点火機能を持ちタイマー内蔵で設定した時間経過後自動的に消火可能。電源はコンセントによる外部電源を使用する。
- 炊事ユニットK-1・・・・基本性能は野外炊具2号(改)と同様。野外炊具2号(改)の民生型で、主に地方自治体や警察・消防に納入されている。価格は性能に左右されるが、約90万~100万円