送り犬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
送り犬(おくりいぬ)は、妖怪の一種。東北地方から九州に至るまで各地で送り犬の話は存在するが、地域によっては犬ではなく狼であったり、その行動に若干の違いがある。
[編集] 特徴
夜中に山道を歩くと後ろからぴたりとついてくる犬が送り犬である。もし何かの拍子で転んでしまうとたちまち食い殺されてしまうが、転んでも「どっこいしょ」と座ったように見せかけたり、「しんどいわ」とため息交じりに座り転んだのではなく少し休憩をとる振りをすれば襲いかかってこない。ここまでは各地とも共通だが、犬が体当たりをして突き倒そうとする、転んでしまうとどこからともなく犬の群れが現れ襲いかかってくる等地域によって犬の行動には違いがある。
また、無事に山道を抜けた後の話がある地域もある。例えば、もし無事に山道を抜けることが出来たら「さよなら」とか「お見送りありがとう」と一言声をかけてやると犬は後を追ってくることがなくなるという話や、家に帰ったらまず足を洗い帰路の無事を感謝して何か一品送り犬に捧げてやると送り犬は帰っていくという話がある。