赤十字国際委員会
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赤十字国際委員会(英:International Committee of the Red Cross 仏:Comité international de la Croix-Rouge)は紛争地域における戦争捕虜や被災者救援を目的とする国際組織である。略称ICRC。本部をスイスのジュネーヴに設置し、2004年現在、世界60カ国に代表を駐在させ、約80カ国で活動を行っている。中立性を確保するため、委員会委員には永世中立国スイス国民のみが任命されてきたが、スイス赤十字社や各国赤十字社の連絡調整を目的とする国際赤十字赤新月社連盟とは別の組織である。 組織としては条約に基づく国際機関ではないが、その活動の根拠は1864年ジュネーブ条約に基づくものである。
[編集] 沿革
1863年にアンリ・デュナンとギュスターブ・モアニエ、アンリ・デュフール、ルイ・アッピア、テオドール・モノアールが設立した「戦傷者救済国際委員会」(五人委員会)を前身とし、1876年に赤十字国際委員会と改称した。第一次世界大戦と第二次世界大戦では戦争捕虜や被災者救援のために大きな貢献をし、1917年と1944年にノーベル平和賞を受賞した。また創設100周年に当る1963年にも国際赤十字赤新月社連盟とともに3度目のノーベル平和賞受賞を果たした。
[編集] 最近の出来事
2003年3月のイラク戦争勃発以来、赤十字国際委員会は中立を掲げてイラクで積極的な活動を行っているが、同年10月27日にはバグダッド事務所が自爆テロ攻撃を受け、イラク人職員2名が死亡、10人が負傷した。当時イラクには外国人職員30名、イラク人職員600名がいたが、このテロにより外国人職員希望者はイラクからの退去を認められた。
2004年11月に米国政府関係者がリークした国際赤十字委員会の報告書はキューバのグァンタナモ米軍基地収容所について、米軍は収容者に心理的、時に物理的な強制を加えており、拷問に等しいと非難した。
[編集] 外部リンク
- 赤十字国際委員会公式サイト(英語、フランス語、中国語ほか)
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