診察
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診察(しんさつ)とは、医師・歯科医師が患者の病状を判断するために、質問をしたり体を調べたりすること。医療行為の一つであり、医師と歯科医師以外の医療従事者は行うことができない。
診察や検査の結果をもとに医師・歯科医師は診断を行い、治療方針を決定する。
目次 |
[編集] 診察の内容
診察には、下記の内容が含まれる。尚、医科と歯科では、それほど診察の仕方が違うわけではなく、共に初診における患者の情報把握の為に重要な医療行為であり、保険点数の算定対象である。
[編集] 問診
通常診察の最初に行われる。医師・歯科医師はまず患者の訴えを聞き、その後必要な情報を聞き出すために質問を加える。 医師・歯科医師に症状を伝えるときのポイントは「いつから、どんなきっかけで症状が出現し、その後どんなときに症状があり、現在まで症状に変化があるかどうか」を正確に伝えることである。服用している薬があれば、必ず現物を持参する。
問診で得られた情報は以下のように分類され記録される。
- 主訴
- 患者の主たる訴え、症状。
- 現病歴
- 発症のきっかけから現在に至るまでの経過。
- 既往歴
- これまでにかかったことがある病気、けが。
- 薬剤歴
- 現在服用中の薬、健康食品など。
- 家族歴
- 配偶者や血縁者がかかったことがある病気。
- 生活歴
- 喫煙、飲酒習慣など。
- 職業歴
- これまでに経験した職業。
[編集] 視診
目で見て異常がないか調べる。診察室へ入るときの歩き方、表情から始まり、体格、栄養状態、皮膚の色・つや、腫れ、変形、皮疹の有無、粘膜の状態などが観察される。
[編集] 聴診
聴診器で音を聞いて異常がないか調べる。心音、呼吸音、腸管蠕動音などが聴取される。
[編集] 触診
手で触って異常がないか調べる。手触り、温度、硬さ、弾力、腫瘤の有無、圧痛の有無など、様々な所見がとられる。
[編集] 打診
手や器具でたたいて調べる。胸部を指でたたいて反響音を確かめたり、関節の近くをハンマーでたたいて反射を確かめたりする。直接打診法(体表を直接叩く方法)と間接打診法(体表の上に手または打診板を置いて、その上から叩く方法)がある。また、打診した際の打診音の種類は以下のようになる。
- 清音
- 大きい音で澄んだ音、正常肺野で聴かれる。
- 濁音
- 小さい音、肝臓や心臓などの実質臓器で聴かれる。
- 鼓音
- 大きい音で太鼓様の音、胃や腸管などで聴かれる。
[編集] その他
専門科によっては眼底検査、内診など特殊な診察が行われる。
[編集] 関連項目
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