西之島
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西之島(にしのしま)は、東京都小笠原支庁小笠原村に属する無人島。1973年に付近で海底火山が噴火し、新島(西之島新島)が出現。のちに西之島と接合した。当時は「新島ブーム」とマスコミが騒ぎ、国民的な話題となった。
余談であるが、このケースのように領海内に自然現象で新たに島が出現した場合は国際法上自動的に領海の所属国に帰属し、とかくトラブルになりがちな「先占(実効的支配)」の必要性がない。西之島新島の場合も自動的に日本の領土として認定されている。
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[編集] 概要
- 面積 - 0.22平方km(東西:650m、南北:200m)
- 標高 - 15.2m
小笠原諸島父島の西約130kmにあり、火山列島(硫黄列島)と同一火山脈に属し、付近は海底火山活動が活発である。
[編集] 歴史
- 約1000万年前 - 火山活動により島が誕生。
- 1702年 - スペインの帆船ロザリオ号が発見し、「ロザリオ島」と命名。
- 1801年 - イギリスの軍艦によって「ディスアポイントメント島」と命名。
- 1904年(明治37年) - 日本によって西之島と呼ばれるようになった。
- 1911年(明治44年) - 軍艦松江が測量をおこなった。
- 1973年(昭和48年) - 4月に変色水が確認された。同年5月30日西之島の東方600mで海底火山の噴火があり、同年9月11日に新島が出現、同年12月21日に西之島新島と命名された。
- 1974年(昭和49年) - 3月には新島と旧島が接続。
- 1975年(昭和50年) - 新属新種のニシノシマホウキガニが発見されたが、その後、島内では絶滅した。
- 1977年(昭和52年) - 2月には湾口が閉じて湾が湖になった。
[編集] 現況
現在は新島と旧島は完全に一体化している。島の周囲は波の浸食を受けて断崖となっており、上陸は難しい。島には雑草やコケ類が生えている。火山噴火が終息後、漂着した種子からグンバイヒルガオが繁殖、セグロアジサシやカツオドリが飛来するなど動植物も確認されている。