蛋民
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蛋民(たんみん)とは華南(南中国)一帯に広がる水上生活者である。「蛋家」ともよばれる。陸に土地をもたず、船を家とし、水上で生業を営む。香港・アバディーン(香港仔)の水上生活者が有名。
漢民族であり、言葉も広東語の訛とみなされるため、少数民族には分類されない。蛋の字は宋代以降に現れるが、その起源ははっきりしない。
中国における被差別民であった。農業を権力基盤とする歴代中国王朝から差別され、科挙の受験資格も与えられなかった。他の漢民族などが、彼らを海上(船上)から陸に上がらせないこともあった。現代ではその数は減少し、8万人程度とされる。