荒川岳
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荒川岳(あらかわだけ)は赤石山脈(南アルプス)のいくつかの山の名前である。
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[編集] 概要
荒川岳は別名荒川三山とも呼ばれる、いくつかのピークの集合体である。「三山」と呼ぶ場合は以下の3つの山を指す(以下、高さ順ではなく西から東への位置順に記す)。
- 前岳(荒川前岳) 標高3068m
- 中岳(荒川中岳) 標高3082m
- 悪沢岳(別名東岳または荒川東岳) 標高3141m 日本第6位の高さである。
更に、その東側に位置する以下の2つの小ピークも荒川岳の一部分と考えられる
- 丸山 標高3032m
- 千枚岳 標高2880m
三角点があるのは中岳と千枚岳だが、標高は悪沢岳がもっとも高い。 それぞれに独立した名前はあるが、実際には稜線上の小ピークであり、悪沢岳と中岳のあいだを除けばピーク間の距離は短く、鞍部の落ち込みも少ない。したがって、全体を「荒川岳」または「荒川三山」という一つの山と考える方が適当であろう。
荒川岳一帯氷河によって削られた地形であるカール(圏谷)が数多く見られ、また高山植物の非常に豊富な山としても知られている。カールの中腹や底は、いずれも大規模な高山植物のお花畑となっており、特に中岳、前岳から荒川小屋に下る斜面では、規模の大きなお花畑の真ん中を登山道が通っているため、盛夏には花のじゅうたんに囲まれながらの登山を楽しむことができる。
上記の荒川岳の他、塩見岳の北方仙塩尾根の稜線上に北荒川岳(標高2698m)がある。非常に目立たない小ピークだが、三角点があり、また周囲は規模の大きな高山植物のお花畑となっている。
[編集] 登山道
登山道は椹島(さわらじま)からと二軒小屋からの登山道が千枚岳で合流して、その先は稜線上を悪沢岳、中岳に至る。中岳と前岳の鞍部で三伏峠方面から赤石岳方面に至る南アルプスの主縦走路と合流する。このほか、この山域は東海パルプの所有地が多く、以前は樹林帯で大規模な伐採が行われていたため、かなり標高の高い地域まで林道が延びている。
[編集] 山小屋
山小屋は、登山口の椹島に椹島ロッジ、二軒小屋に二軒小屋ロッジ、千枚岳直下に千枚小屋、荒川岳と赤石岳の鞍部に荒川小屋があるほか、中岳山頂付近に中岳避難小屋があり、夏期には管理人が常駐し簡単な食品と寝具の提供を行っている。前述のとおり、東海パルプの社有地が多いため、その子会社である東海フォレストの経営する山小屋が多い。また、登山口までのリムジンバスも東海フォレストの運行で、名目上は東海フォレスト経営の各宿泊施設の「送迎バス」という扱いになっている(非宿泊者は別途乗車料金を支払い乗車できる)。
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