自律神経失調症
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自律神経失調症(じりつしんけいしっちょうしょう)とは、交感神経と副交感神経の二つから成り立つ自律神経のバランスが崩れた場合に起こる病気である。
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[編集] 概念
日本心身医学会では「種々の自律神経系の不定愁訴を有し、しかも臨床検査では気質的病変が認められず、かつ顕著な精神障害のないもの」と暫定的に定義されている。しかし、この病名はDSMはもちろんのことICDにも載っていない。
この病気は昭和36年ごろに東邦大学の阿部達夫が定義したものであるが、現在も医学界では独立した病気として認めていない医師も多い。実際この病気は患者の症状も多様である上に、ストレスなどの精神的な問題も関係しているとみなされているため、非常に曖昧に使われている病名であるといえる。
この病気の患者は実際には鬱病やパニック障害などの精神疾患が正式な病名として認められる場合が多い。また、癌などであっても似たような症状が表れる。
[編集] 機序
自律神経とは血管、リンパ腺、内臓など自分の意思とは無関係に働く組織に分布する神経系のことであり、呼吸や代謝、消化、循環など自分の意思とは無関係で生命活動の維持やその調節を行い、絶えず活動している神経である。
交感神経は代謝、消化などの生命活動を活発にする働きをし、副交感神経は交感神経とは全く逆の働きをする。人体ではおよそ12時間交代でこの二つの神経の優位が入れ替わるとされているが、夜更かしやストレスなどで脳を休める時間が減ると自律神経が興奮し、結果的に交感神経と副交感神経の優位入れ替わりのバランスが崩れ、自律神経失調症となるとされている。
自律神経の中枢は脳の視床下部というところにあり、この場所は情緒、不安や怒り等の中枢とされる辺縁系と相互連絡していることから、こころの問題も関わってくる。
[編集] 症状
めまい、急な動悸、冷や汗が出る、緊張するようなところではないのに脈が速くなる、動悸がする、血圧が激しく上下する、耳鳴りがする、腹痛、下痢、微熱、生理不順といった身体症状から、情緒不安定、不安感やイライラ、抑うつ気分など精神的な症状が現れることも多い。
自律神経失調症には様々な症状があり、どの症状がどれだけ強いのか弱いのかは患者それぞれである。そのため患者によっては、その他の症状はあまり強く現れないにもかかわらず、ある特定の症状のみが強く表れる場合もあり、症状は実に多岐に渡る。
[編集] 自律神経失調症の原因及び発症
夜更かしをする事などによる自律神経の興奮、脳の疲労や、ストレスや更年期が原因のホルモンバランスの乱れ等が挙げられるが、遺伝的に自律神経の調整機能が乱れている患者も存在するため一概に言う事は出来ない。しかし、少なくとも半数が日常生活のストレスにその病理の原因があると言われている。
[編集] 病態
特に大きな症状は出ない。しかし、席から急に立ち上がるときにめまいや立ちくらみが起こる。 また、起床時に起きれないことがある。 緊張もしない所なのに動悸が起こる。 病態は人それぞれの為、判断しにくい。
[編集] 治療
多くの患者は内科ではなく心療内科や神経内科に通院する。治療には抗不安薬やホルモン剤を用いた薬物療法や、睡眠の周期を整える行動療法などが行われている。最近では体内時計を正すために強い光を体に当てる、見るなどの療法もある。
自律神経失調症は、心因的なストレスから来る場合と、カラダのゆがみから来る場合とがある。上記のような西洋医学で改善の兆しが現れない場合は、整体・鍼・カウンセリングなどが有効の場合もある。