網膜
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網膜(もうまく)は、眼球の構成要素の一つであり、眼球壁の最も内側に位置している。
視覚的な映像を神経の信号に変換する働きを持つ。いわば、カメラのフィルムの役割を果たしている。
目に入った光は、網膜の奥の視細胞層に存在する光受容細胞である視細胞(桿体および錐体)によって感受される。視細胞の受け取った情報は、網膜の表面の方に存在する神経節細胞を経由し、脳に情報を送るため視神経へと伝えられる。
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[編集] 構造
成人の網膜は厚さ0.2~0.3mm、直径40mm前後である。 網膜の中心部は視力に最も関係している部位であり、黄褐色に見えるため、黄斑部と呼ぶ。 さらに黄斑の中央部は網膜が0.05mm程度と薄くすり鉢状に凹んでおり、中心窩と呼ばれる。中心窩は、視力が最もよい場所である。
黄斑部の4~5mm内側には、網膜全体の神経線維が集まり眼球外へと出て行く視神経乳頭が存在している。 視神経乳頭には視細胞が存在していないため、この部位では物を見る事が出来ない。盲点(マリオット盲点)はこの部分に相当する。
網膜の辺縁はギザギザになっていて鋸状縁と呼ばれる。
[編集] 網膜の構造
網膜は、組織学的に10層に分けることが出来る。外側から順に、網膜色素上皮層、視細胞層、外境界膜、外顆粒層、外網状層、内顆粒層、内網状層、神経節細胞層、神経線維層、内境界膜である。
[編集] 視細胞
視細胞は網膜の視細胞層に存在し、光刺激を吸収し電気信号へと変換する役割を持つ。
視細胞には、錐体と杆体(又は桿体)の2種類がある。錐体は中心窩に多く存在しており、明るい場所で働き、明所視を司る。一方、杆体は、網膜周辺に多く存在し、明暗に鋭敏であり暗所視を司っている。
錐体には、視物質として3種類の異なる蛋白質オプシンを持つ細胞がある。それぞれ吸収波長が異なっており、L錐体(赤錐体)、M錐体(緑錐体)、S錐体(青錐体)と呼ばれる。脳は3種類の錐体の興奮の割合の違いを利用して色を区別している。この3種類の錐体の1個~複数個の欠損または吸収波長の違いにより色覚異常(色盲、色弱)が生じる。
杆体は視物質ロドプシンを持つ。ロドプシンは光で分解し信号を生じる。