糸川英夫
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糸川 英夫(いとかわ ひでお、1912年7月20日 - 1999年2月21日)は、東京都出身の工学者。専門は宇宙工学で、ペンシルロケットの開発者。日本のロケット開発の父と呼ばれる。
[編集] 経歴
軍事技術開発を中心に扱った千葉県千葉市の東京帝国大学第二工学部を卒業。戦前は中島飛行機の技師として、九七式戦闘機、隼、鍾馗などの設計に関わった。
1955年3月には、東京都の国分寺でペンシルロケットの水平発射実験を行い、また同年8月からは秋田県の道川海岸で飛翔実験を行った。
東大教授を務めたが、1967年に退官し組織工学研究所を設立。
晩年はバレエ・占星術・チェロ・ヴァイオリンなど様々なことに興味を持った。著書『逆転の発想』はベストセラーになる。1975年、ライターグループ「未来捜査局」と共に、日本の将来を予測した小説『ケースD ―見えない洪水―』を発表。
[編集] 著書
- 『航空力学の基礎と応用』(共立出版 1942年)
- 『宇宙を散歩する』(竜南書房 1957年)
- 『ロケット』(日本放送出版協会 NHKブックス 1965年)
- 『逆転の発想』(プレジデント社 1974年)
- 『第三の道・インドと日本とエントロピー』(CBSソニー出版 1982年)
- 『復活の超発想』(徳間書店 1992年)
- 『逆転の知恵』(同文書院 1992年)
- 『八十歳のアリア 四十五年かけてつくったバイオリン物語』(ネスコ 1992年)
- 『セオリー・ゲームからの脱出』(青春出版社 1993年)
- 『糸川英夫の創造性組織工学講座』(プレジデント社 1993年)
- 『21世紀への遺言』(徳間書店 1996年)