笹流ダム
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笹流ダム(ささながれダム)は北海道函館市陣川町地先、二級水系亀田川水系笹流川に建設されたダムである。
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[編集] 沿革
1854年の日米和親条約で箱館が開港して以来、函館市は急激に人口が増加。水需要は忽ち逼迫して行った。明治時代以降、従来の地下水・河川からの直接取水に代わる新しい手法として近代水道制度が日本にも導入された。函館市は横浜市に続いて全国で2番目に近代水道技術が導入され、この中で函館市への水道供給増強を図る水源として1921年(大正10年)に着工、1923年(大正12年)12月に完成した。
[編集] 日本初のバットレスダム
設計は小野基樹。堤高は25.3mで型式はバットレスダムである。日本で初めて建設されたバットレスダムで、これ以降三滝ダム(北股川・鳥取県)まで8基のダム(内2基は改修によって違う型式になる)が建設された。現在「土木学会選奨土木遺産2001」に選定されている。なお1949年(昭和24年)、1984年(昭和59年)に改修工事が行われ、当時の外観とは異なっている。
[編集] 函館市民の憩いの場
ダム下流は公園として整備されており、函館市民の憩いの場としてピクニックやスポーツの他、バーベキュー設備も整っている。尚、笹流川が注ぐ亀田川上流部には同じく函館市水道局によって亀田ダム(重力式コンクリートダム・52.0m)が建設されていたが、北海道の「亀田川総合開発事業」によって補助治水ダムとして改築された。この新中野ダム(重力式コンクリートダム・74.9m)は日本で最大級の嵩上げ工事(21.9m)を行ったダムである。この新中野ダムも周辺にキャンプ場等を備え、夏季における函館市民のレクリェーションスポットとなっている。