突入救助班
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突入救助班とは、千葉県警察刑事部捜査一課特殊犯捜査係の指揮下で、機動捜査隊内に編成された突入班のこと。 「Attack and Rescue Team」 の英語名称から「ART(エーアールティー)」と呼ばれている。
1999年に千葉県習志野市で発生した、京葉銀行津田沼支店立て籠もり事件を契機に創設された。
ARTは人質立て籠もり事案に対処し、犯人の制圧、逮捕と人質の救出を任務としている。
[編集] 班編制
班編制は特殊犯捜査係の指揮下で、機動捜査隊内から指定された捜査員によって編成される。班の総数は約40名で、特殊急襲部隊(SAT)を除隊した後、機動捜査隊に異動した、SATのOB隊員を中心に編成されている、と言われている。
ARTの捜査員は普段、機動捜査隊で勤務をしながら、定期的に突入の訓練(SATのOB隊員にとっては練度維持)を受け、事件発生の際には現場に出動する。 犯人との交渉は、特殊犯捜査係が担当すると言われている。
同様に刑事部に所属する突入班として、警視庁のSITや大阪府警のMAATが挙げられるが、SITやMAATは常勤(フルタイム)の突入班であり、千葉県警のARTは非常勤(パートタイム)の突入班である。
警視庁と大阪府警以外の各地の警察は、特殊犯捜査係の定員が少なく、この係だけでは突入班を編制できないのが現状である。
そのため、ARTの様な体制は、地方の警察にとっては現実的であるが、SATのOB隊員を使うことが前提となっており、SATが置かれていない地域の警察では、高い練度が望めないという欠点がある。
[編集] 装備
- アサルトスーツ
- 機動隊の出動服とは異なる、専用の突入服
- フラッシュバン、スタングレネード等と呼ばれているもの
- 製品名は「インパルス」。銃のような形状をしている。高圧で水の塊を発射して犯人を転倒させ、制圧する(2003年に発生した、名古屋立て籠もり放火事件の教訓から配備された)。
- 特殊ハンマー
- 高速バス等の窓ガラスを素早く割り、突入するためのもの。ARTでは独自に開発した、特殊な形状のハンマーを使用している、と言われている(2000年に発生した、西鉄バスジャック事件の教訓から開発された)。