燃える!お兄さん
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『燃える!お兄さん』(もえる!おにいさん)は、佐藤正の少年向けギャグ漫画作品。1987年から1991年まで集英社の雑誌「週刊少年ジャンプ」で連載されていた。単行本全19巻。または、それを原作としたテレビアニメ番組、OVA、ゲームソフト。
目次 |
[編集] あらすじ
国宝憲一は幼い頃、父の不注意から川に流され、山で行方不明になってしまう。しかし、山に住む空手家に拾われた憲一は野生児としてたくましく(?)成長する。そして本当の家族と街への憧れから憲一は下山し、程なく本当の家族と再会する。だがしかし憲一には都会の知識や常識がまるで無いのであった…。
本作品は野生児憲一と、その周りの人々の非常識な日常を描いたギャグ漫画である。
ギャグ漫画では珍しく、登場人物が普通に年を取っているのは、師である新沢基栄の影響であると思われる。ただ、こちらは高校卒業までは描けず、打ちきりとなっている。
[編集] 主な登場人物
- 国宝憲一(こくほう けんいち お兄さん) (声優:矢尾一樹)
- 主人公。玄米茶流空手の使い手。幼い頃に山で行方不明になり、13年間山の中で育った為に都会の常識は何一つ知らない。その為、山を降りてからは毎回様々なトラブルを巻き起こす。野生児だけあって、とても人間とは思えないほどのパワーを持っている。普段は空手着を着ている。当初は身長は高かったが、連載が進むにつれ常に2~3頭身になり、連載終盤では頭が禿げたり教室で寝小便を漏らしたりとキャラの変貌が著しくなる。
- 国宝雪絵(こくほう ゆきえ) (声優:本多知恵子)
- 本作品のヒロイン。憲一の妹で国宝家の家計や家事をこなすしっかり者。家庭的な雰囲気からか男子生徒からの人気は高いようである。憲一の奇行に対して突っ込みを入れる常識人でもある。
- 国宝憲吉(こくほう けんきち 父ちゃん) (声優:緒方賢一)
- 国宝家の主。仕事(植木職人でかなり腕も立つ)もしており威厳もあるが、ギャンブル好きで外道な典型的なダメ親父。人間性にかなり問題があリ、常人の30倍は悪事を働いていると、言われている。常日頃から、憲一のゲームボーイやファミコンソフトを勝手に売り払い、雪絵からタバコ代の名目で金をちょろまかす。息子である憲一とはイカレた関係を持っている。1億3千年前の前世はゴキブリ。
- 国宝憲二(こくほう けんじ) (声優:松岡洋子)
- 憲一の弟。普段は気弱で目立たないが、実は国宝家で一番頭が良い。
- 爺ちゃん(山の父ちゃん)(声優:松岡文雄)
- 本名(?)は玄米茶。憲一の育ての親で玄米茶流空手の達人。憲一の後を追って下山し、そのまま国宝家に居着いてしまった。一見ガリガリだが憲一以上のパワーを持つ。父ちゃん(憲吉)とは犬猿の仲である。
- かえで (声優:林原めぐみ)
- 憲一の山での妹。ベビーカーに入っていたのを爺ちゃんが拾って(さらって?)きた。憲一の後を追って下山し、やはり国宝家に居着いてしまった。好奇心旺盛な性格。
- フリッパー (声優:沢木郁也)
- 憲一が山から連れてきた友達のオオカミ。オオカミはイヌ科のはずだが、猫扱いされることが多かった。
- 火堂害(ひどう がい) (声優:池田秀一)
- ヤクザである火堂組の3代目であり極悪な男。何度か留年しているらしく年齢不詳。自己中心的な性格で憲一とは強引にマブダチになる。雪絵のことが好き。鮫肌。
- アニメでは「ぼっちゃん」と呼ばれることを嫌い、般若のような顔から「目ん玉ひし形潰れ」とも呼ばれていた。
- 綾小路さゆり(あやのこうじ さゆり) (声優:山本百合子)
- 雪絵の友人。ミーハーでよく喋る。突っ込み役の一人。実はかなりの金持ち。
- ロッキー羽田(ロッキー はだ) (声優:屋良有作)
- 日本人とフィリピン人とのハーフだがなぜかアメリカに被れている。「スーパーウルトラグレートデリシャスワンダフルブロー」(いつの間にかスーパーウルトラグレートデリシャスワンダフルボンバーに改名)という一秒間に50発の閃光パンチが必殺技。「~じゃない」が口癖。「自由」がポリシー。某・拳法漫画のキャラがモデルらしい。
- 文子先生(小山内文子・おやまうち あやこ) (声優:松井菜桜子)
- 中学時代の憲一達の担任。名字を「おさない」と読まれる事を嫌っている。
- 不知火明(しらぬい あきら) (声優:速水奨)
- 中学編に登場した女生徒達の憧れの的。連載初期の重要な盛り上げ役の一人。だが人間が小さく恥を掻かされた相手にはとことん仕返しをしないと気がすまない。
- 組員A(火堂の子分で、アニメ版での名前) (声優:塩屋翼)
- 火堂組の組員。アニメでは毎回害の事を「ぼっちゃん」と呼んでしまいぶっ飛ばされている。
- 警察署長 (声優:大滝進矢)
- すぱるたん先生(酢張丹悦楠・すぱるたん えっくす) (声優:山寺宏一)
- 是津校長が国宝憲一の風紀更正のために招いた熱血教師。文子先生に替わり、3組の担当を受け持つが数日で副担任に。生徒の風紀をただすためならどんな暴力や手段も辞さないため、生徒からかなり怨みを買っていた。だが、生徒たちの危険とあらば、自ら危険に飛び込んでいく勇敢さも見られる。文子先生に惚れているが、相当の奥手。
- ダック・ニコルソン(ダック君) (声優:山寺宏一)
- 日本に一羽の野良アヒルで憲一の悪友。毎回憲一に対してろくでもないことを教えたりトラブルの元になる発明品(物語後半のシーモンキャー騒動など、後日にトラブルを引き起こすこともある。)を持ってきたりする。セーラー服とサングラスがトレードマーク。
- ダック・ダニエル
- ダック・ニコルソンの父。悪さでは息子を遥かに凌ぐ。
- 稲垣千明
- 雪絵の幼なじみ。幼稚園のころ一度、是羽市を離れるが10年後是羽市に戻り、雪絵達とクラスメイトになる。雪絵の事をゆーたんと呼ぶ。実家はレンタルビデオ店。
- 安生先生(安生美加子・あんじょう みかこ)
- 憲一たちの高校最初の担任。高校の校長の要望により小学校教師から高校教師へトレードしてきた。ミスいちご大福に選ばれた事もある美女。
- 早見先生(早見姿朗・はやみ しろう)
- 高校時代の副担任。自転車の整備不良によるダンプとの衝突事故により半身不随となる重傷を負うが、文部省が問題児矯正のために600万円かけて改造人間にし、無理矢理蘇らせた。全国の問題児代表の憲一を矯正するためやってきた。が、自分自身もまた全国の問題教師代表のような行為ばかり繰り返している。
- 改造手術の執刀はプロフェッサーK。ほぼ全身が改造されているが、睾丸はそのまま残されている。主武器はロケットパンチ。脳改造は失敗しており、初登場時には「怪傑ズバット」のパロディとおぼしきセリフを口にして暴れ出すなどのトラブルも起こした。ボディの強度は宇宙空母の主兵装「超ウルトラマグナムカノン波動フェーザー砲」で撃たれても全壊を免れるほど強靭。後に憲一のパワーについていけなくなりロボットのような姿に再改造したが、惚れていた安生先生に手ひどく嫌われたことから元の姿に再改造した。
- 船木先生(船木君枝・ふなき きみえ)
- 安生先生の大学時代の後輩で、小学校教師をクビになっていたところに高校校長の思い付きにより安生先生の後任(安生先生は人手不足の3年生の担任にまわる)として憲一たちの新担任に抜擢される。型破りな教育を好む。
- 清田先生(清田光太郎・きよた こうたろう)
- 早見先生が転任になり新たに3年生の憲一たちの副担任として赴任してきた、いままでにないノーマルな教師。普通に授業をして生徒たちがついて行けなくなった事も。
[編集] 宇宙人
- オセロ兄弟
- チャネル星人
- オイラ人
- シーモンキャー
※ポキール星人他の侵略者宇宙人は別項で解説。
[編集] 侵略者
[編集] ポキール星人
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- 「史上最低の侵略!」の巻で侵略者として登場した、地球人とほぼ逆の価値観を持つ(王が最高の地位であったりなど、完全に逆ではない)宇宙人。自称宇宙のエリート、他称宇宙のクズ。ポキール大王を君主とする惑星国家を築いている。ゴミを資源として尊び、糞食する。うなされる寝言も下品な単語の羅列と下品極まりない。苦手な物は純金(ポキール星人のウンコは純金でできている)と消毒(ポキール星人にとっては最も苛烈な拷問とされる)である。本作における宇宙人キャラクターは一回限りの登場が多いのだが(侵略者も一度倒された後の再登場は少ない)、初登場時から目立っていたその特異なキャラクターゆえ読者に受け、最終的には準レギュラー、それに近いところまで地位を上げた。ファンの間には『他の宇宙人とは別格』と断言した者もいる。登場人物たちにも印象深かったと見え、メタルプライマー編でメガロ大王(正体)がケンイチによって他の登場人物に紹介された際、火堂が彼をポキールと誤認したことを明かすセリフを口にしている。
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- 初登場時はあっさりやられるも翌年再登場。ケンイチたちをポキール星(海は白く、空に浮かぶ雲は青く、黄金ひねりが最も美しい形とされる怪しいところである)に連れ去り食糧確保源として拘束しようとするも、あっさり戦いに敗れて自爆。この回ではポキール三人組のほか一般のポキール星人や近衛兵、これを指揮する指揮官が登場した。
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- この直後ビデー大帝に救われて超暗黒大巨星帝国の属国となり、その地球侵略の先兵として地球に来襲する。が、下品さと弱さ、ニックネームのセンスのなさ&事大精神は変わらず、破壊兵器として量産された戦闘ロボットインモーキングⅡ&Ⅲ部隊をあっさり壊滅させられ、宇宙空母も大破させられると全く役に立たないかと思われたが、対ケンイチ用に用意した猛獣の数々を爆弾の時限装置をセットに向かう大帝の援護に差し向け、地球人を笑わせて足止めに成功。見事囮役を果たした。
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- ビデー大帝の敗北後は地球に取り残され、宗主国の君主であるビデー大帝を呼び寄せ勝利の鍵となった死神マック戦をはじめ、多数の武器を提供しまた二重の背反によってケンイチたちを救ったミッキー総統戦など、歴代の侵略者との戦いには少なからず貢献した(打ち切りのため登場しなかったメタルプライマー戦は除く。ただしこの戦いでもメガロ大王がポキールと誤認され火堂以下の仲間に受け入れられており-紹介されて別物と理解されたが-、間接的に役に立っていると言える)。ただしインビジブル・ブルー・ブルー編だけは例外で、ケンイチがインビジブル迎撃のために作った五重の塔の地下一階に陣取るという愚を犯し、崩落した天井の下敷となり何の役にも立たずにやられている。
[編集] その他の侵略者
- ビデー大帝
- 超暗黒大巨星帝国国王。ポキール星人の命を救って配下にした。のちそのポキールを尖兵に、地球侵略にやってくる。帝国のボスであるのに国王である理由は謎(実は上に皇帝がいてNo.2であると分析したファンもいる)。パワードスーツをまとってケンイチと戦った。全身の関節がかんてん質でできており、くにゃくにゃと気持ち悪い歩き方をするという設定があったが、再登場時には忘れ去られていた。
- ミッキー総統
- ミクロマンのボス。二頭身のチビであり、シークレットボディをつけて低身長を補っている。
- 死神マック
- 死神マック編のボス。プラネットイーター呼ばれる宇宙人で星の生命エネルギーを食べ、分裂を繰り返し、どんどんパワーアップしていく。すごろくでケンイチたちと戦った。弱点のピーマンで弱らされ、ビデー大帝によってケンイチもろとも宇宙の彼方に飛ばされた。
- インビジブル・ブルーブルー
- 宇宙刑務所に収監されていた水の魔人。脱獄して地球侵略にやってくる。体は液体である。歴代侵略者の中でも強者の部類に入り、毒液(老廃物)で玄米茶をスライムに変えてしまったり二軍落ちしたかつてのレギュラーキャラをまとめて瞬殺するなどその戦闘力は非常に高い。火で蒸発してしまうのが弱点だが特殊なプロテクターでどんな熱も防ぐことが出来る。最後はシャボン玉にされてしまった。
- 超暗黒破壊大魔神メタルプライマー
- 魔界からやってきた侵略者らしい。メタルプライマー編の大ボス。最後は日本政府と講和してアメリカに進出した。子供向けの本にすら伝説が語られているほどの魔王である。
- レジン将軍
- メタルプライマー配下の小ボス。人間に面白半分に労役を課し、反抗した者にはハイ・エンシェントもどきの怪しい魔法で拷問を加えていた。ケンイチにムジョルニアで殴り倒された。最後まで魔法に固執していたが、呪文を一節唱えるたびにムジョルニアで一撃され、最後は頭にコブが五段にもなってしまった。結局、そのまま倒れて死亡。死とともに部下は潰走。このとき初めて名前が明らかになった。セリフはほとんどが呪文である。
- ブールドゥ
- メタルプライマー配下の小ボス。ケンイチたちの活躍に狼狽し部下にツッコミを入れられたあげく、ケンイチの助っ人スティングに一太刀で斬り捨てられた。腕組みをしていた以外、何もしていない。
- メガロ大王
- メタルプライマー配下の中ボス。マントルゴッドの力を借りて支配下の町の重力を10倍にし、町の人々を(および不運な部下の一人)を苦しめた。巨大な姿で動きは鈍いが不死身とも思えるタフさを発揮する。実は巨大な体は生体ロボット、頭部にある本体らしきものもロボットであり、本当の本体は胴体につけられた気球の中に潜んでいた。
- ヒム
- メガロ大王の手下。体は原子一個でできている為に、傷付けたり破壊する事は不可能。しかし殴ったり、急所に焼印を押すなどの攻撃でダメージを与えることができる。
- 超戦士ビッグ4
- メタルプライマーを守る4人の配下。委員鳥・ウンコマシーン・ゴールデンキングと他一名からなる。ケンイチたちと一週間にわたって戦い続けた。漫画上では諸事情により一瞬で決着が付いた。
[編集] その他
- ロボット君
- ナレーター 田中秀幸
[編集] テレビアニメ版について
1988年3月から同年9月にかけて日本テレビで放送。全24話。
原作初期の路線に沿いながらも、
- 原作のエピソードを大幅に膨らませて(一部の話ではオチまで変えられた回も)、それが吉に出た数少ない作品である事。
- 原作では出番が少なかったキャラをほぼ毎回登場させた事(不知火や組員A、警察署長など。他のキャラも全体的に出番が増えている者が多い)。
- 父ちゃんが爺ちゃんに虐げられている場面で、ナレーターが父ちゃんの心情を勝手に代弁した事に、その父ちゃんが困惑した事に対して、『ナレーションには逆らえない父ちゃんであった』と強引に従わせると言った描写など、余りにもぶっ飛んだ演出が多々見られた。
などの点からファンの評判は今でも高い。しかし視聴率自体は『トライ&トライ』(NHK総合)・『わいわいスポーツ塾』(TBS系)・『花のあすか組!』(CX系)など強力な裏番組の存在もあってか低迷し、敢え無く24話で打ち切りになった。
なおエンディング後に『燃えるお兄さん』コーナーがあったが、商品が表彰状と記念バッチと言う低予算振りであった。
その後、OVAも発売されている。また、ファミコン用のゲーム(後述参照)にもなった。
[編集] アニメ制作スタッフ
[編集] 主題歌
- オープニングテーマ
- TV
- 「ドリーミー・ドリーマー」
- 歌:石川優子 作詞:石川優子 作曲:石川優子 編曲:瀬尾一三
- OVA
- 「どしゃ降りのジェネレーション」
- 歌:矢尾一樹 作詞:松本一起 作曲:馬飼野康二 編曲:馬飼野康二
- エンディングテーマ
- 「時を置いて」
- 歌:石川優子 作詞:石川優子 作曲:石川優子 編曲:瀬尾一三
- 挿入歌
- 12話
- 「どしゃ降りのジェネレーション」
- 17話
- 「燃える!国宝音頭」
- 歌:国宝家の人々 作詞:寺田憲史 作曲:馬飼野康二 編曲:馬飼野康二
[編集] ゲーム
テレビアニメ放送終了から約1年後の、1989年8月8日にテレビアニメの製作にかかわった東宝からファミコン用ゲームソフトとして発売された。ジャンルはアクションゲーム。憲一の口癖「あう!」を音声として流そうと試みたが、ソフトの容量の大半を使ってしまうため断念した。
[編集] 原作に於ける問題点
アニメが高い評価を得ている反面、原作漫画は連載開始されて以降、様々な問題点により作者の力量不足を浮き彫りにしていった。大きな問題点を列挙すると、以下の通りとなる。
- 連載開始当初は野生育ちの主人公が都会に出ててんやわんやのドタバタギャグ路線が好評であった。しかし連載初期と後期とでは全くの別人としか言いようが無いほど主人公国宝憲一の容姿が変わってしまう。初期では格闘家らしいキャラクターで頭身も6~7頭身はあったが連載が進むにつれ常に2~3頭身になり、性格もあきらかに幼児化してしまっていた。
- もともと格闘ギャグ漫画であったせいもあり初期のギャグは格闘を中心にしたパワフルな物であったが、中後期頃から下ネタが目立つようになった。ゲロやウンコなどが頻繁に登場し、黒丸で隠してあるとは言え局部露出シーンも何度も登場している(金玉については、○○タマと書いて「んーたま」と読む)。因みに作者佐藤の師である新沢基栄は、ギャグ漫画家でありながらデビューから現在まで下ネタをあまり使っていない(『ハイスクール奇面組』『ボクはしたたか君』で多少下品なネタが登場しているが表現は最小限にとどめられている)。
- 暴力シーン及び流血シーンが何度も登場している。中後期頃から虐待やいじめを連想させるようなシーンも数多く登場するようになった。さらに暴力シーンもより過激な物へと移行し流血シーンも増え、結果的には作品全体に於いて残虐性が濃くなっていった。
- ギャグ漫画であるとは言え、ストーリーに一貫性が見られない。格闘漫画かと思いきや学園ギャグ漫画で、学園ギャグ漫画かと思いきやSFもので、SFものかと思いきやファンタジーで、ファンタジーかと思いきやファミリーギャグと言った具合に、次から次へと必要以上にめまぐるしく方向性が変わっていき一貫性のなさが目立つ。神様が出てきたり、霊が出てきたり、狸に化かされたり、と言った非科学的な物まで扱ったがその大半が消化不良の際立つ設定で一度きりの物すらもあった。
- 放置され続けた設定やキャラクターも数多く存在し、未消化部分は数えられないほどの数になっている。
- それ以前に基本的なストーリー構成や画力が低レベルである。画力はその後いくらか改善されてはいるが、ストーリーの方はその後の作品でもほとんどと言ってよいくらいに改善されていなかった。
連載の中期頃から既に作者のモチベーションの低下はあったらしく、本誌掲載時には相当投げ遣りな内容になっている話もしばしば見られるようになった。単行本収録にあたっては多少穏便な内容に修正された話も多いが、内容がひどすぎたがためか収録されなかった話も存在する。そしてついには1990年に学校の用務員に対する差別的な内容の話への諸方面からの抗議殺到による回収騒動にまで発展する(回収騒動については週刊少年ジャンプに詳細)。これは作者のモチベーション低下が最悪の形で噴出した形となり、連載は名目上打ち切りとなった。しかし編集部または作者の要望があったためか、『燃える!お兄さん2』とタイトルが変更され連載続行となる。だがそれも人気低迷により数ヶ月後の1991年に結局打ち切られることとなった。そのためか単行本では『燃える!お兄さん』のまま巻数も通算している(18、19巻が『燃える!お兄さん2』に該当)。
主人公の性格が連載開始当初とはまるで別人と化してるとの批判からもわかるように、最後の最後まで展開が必要以上に何度も変化してゆき、作者が一体何をやりどんなギャグ漫画にしたかったのか全くわからない作品として連載終了を迎えた。『燃える!お兄さん2』の終盤では、コント55号に肖って誌上コントなる物を描いている。これが作者の一番描きたかった物である事はまず間違いあるまいが、わざわざ舞台上のコントをそのまま漫画化する必要性はあったのか、と疑問視する意見も多い。
その後、作者は短期連載作品を何作か執筆した後、4コマ漫画家に転向。しかしながらもはやかつてのパワーを感じ取れるほどの作品は無く、『メダカの王国』(月刊少年ジャンプ連載)がそこそこの評価を得る程度であった。そしてこの『メダカの王国』を最後に集英社との専属契約は終了。その後は2001年に近代麻雀ゴールドで「燃え燃え建設 トーゴー愚連牌」を執筆するなどの活動を続けている。また2002年から2003年にかけて出版された文庫版の「燃える!お兄さん」の最終巻に描き下ろしをしているが、絵柄は連載時と比べてかなり変わっている。
[編集] 外部リンク
- ぴえろ『燃える!お兄さん』 - アニメ公式サイト
日本テレビ系 月曜19:30枠 | ||
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前番組 | 燃える!お兄さん | 次番組 |
きまぐれオレンジ☆ロード | 美味しんぼ |
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