温熱療法
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温熱療法(おんねつりょうほう)は、熱カロリー刺激で有益な生体反応を利用して、体力の向上、抵抗力の調整に役立てようとする医療行為である。
[編集] 理論
温熱療法が効果である根拠として、次のようなことが考えられる。
- 経絡:気の流れ(経絡)には「ツボ」があり、そのツボから気が出入りすると考えられる。ところが、そのツボを中心に気の流れが滞り病気になる。熱刺激によって、気の流れをスムースにするのが治療目的である。
- リンパ系:脈管系には動脈・静脈・リンパ管が存在し、身体の中に流れる液体成分は全てこれらの脈管系を流れる。動脈を上水道、静脈を下水道に見立てれば、リンパ管は下水道の手前の「排水溝」に例えることができる。この排水溝を熱刺激できれいにするのが目的である。
- 血管系:熱刺激によって、動脈も静脈も拡張する。拡張すれば血流が増加し、循環が良くなる。循環の悪い状態を瘀血(おけつ)状態と呼ぶが、血管拡張作用によって、この瘀血が改善される。
- 炎症理論:炎症は、生体内・生体外からのあらゆる刺激に対する生体反応である。その反応の主体は免疫システムの発動である。温熱刺激が免疫システムのスイッチを入れると考える。
- がんの治療:がん細胞は、血流が少なく熱に弱いことを利用したものである。
[編集] 分類
熱源のエネルギーの種類によって次のように分けることが出来る。
- 燃焼
- 赤外線(近・遠)
- 可視光線
- レーザー光線(単一波長光)
- マイクロ波
- 蒸気
装置の種類によって次のように分けることが出来る。