決まり手
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決まり手(きまりて)は、大相撲の勝敗が決した際の技のことである。極まり手(きまりて)とも表記される。
相撲の技を言葉で表現しようとする試みは、戦国時代(16世紀後半)に始まるといわれる。『信長公記』に相撲の記事があり、その中で勝負の結果を決まり手も含めて表現したことが始まりとも伝えられる。この時代には土俵がなかったので、投げ・掛け・反り・捻りのいわゆる四十八手が言われていた。18世紀に土俵が完成してから、寄り・押し系の決まり手もうまれた。
決まり手には技と(自滅などにより一方的に負けてしまう)非技があり、前者を「決まり手」、後者を「勝負結果」として区別する場合もある。
戦前までは、各種マスコミにより決まり手報道はばらばらであったため、1957年に日本相撲協会は決まり手70手と非技2つ(勇み足と腰くだけ)をきめ、場内放送で公式に流すことにした。また、日本相撲協会の星取表にも十両以上の決まり手を掲載するようになった。決まり手の決定は行司が担当し、決めにくい場合には決まり手係の親方が判断する。最初は十両以上の取組に限られていたが、現在はすべての取組に対して場内放送が行われる。ただし、星取表への掲載は十両以上である。
2000年にそれまでの手に15手加えられ、現在82手ある。
寄り切り、押し出し、はたき込みなどは頻繁に出現するが、滅多に出現しない決まり手もいくつか存在する。その例としては、頭捻り(ずぶねり)、後ろもたれ、三所攻め(みところぜめ)などがある。
アマチュア相撲でも、大相撲にならって決まり手を決定している。