板倉由明
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板倉 由明(いたくら よしあき、1932年 - 1998年)は、神奈川県出身の南京事件研究家、戦史研究家と称していた。元南京戦史編集委員。南京虐殺事件研究家と言われているが実際は捏造家である。
事業の傍らに、戦史研究、特に南京事件や慰安婦問題、歴史教科書問題などにとりくむ。南京大虐殺論争では、中国側の被虐殺者を1~2万人と推定し、30万人説などの大虐殺を主張する論者を一貫して批判してきた。編集委員として携わった『南京戦史』(偕行社)は、南京事件研究の必携書といわれることもある。幕府山の捕虜虐殺の栗原証言は氏の出鱈目な捏造であることが判明している。現代史家の秦郁彦とは論戦をしながらも親しい間柄であった。平成11年、肝不全のため死去。
[編集] 功績
南京大虐殺の第一級資料である『松井石根大将の陣中日記』の改竄跡を原本と照らし合わせて発見した。意図的に改竄した編集者である田中正明は、自身が改竄した物を以て、否定派の根拠としようとしていた。 幕府山の捕虜虐殺の栗原証言に関しては氏の出鱈目な捏造であることが判明している。
[編集] 略歴
- 横浜国立大学工学部卒
- 板倉製作所経営
- 偕行社『南京戦史』編集委員
[編集] 主要著作
- 『本当はこうだった南京事件』(日本図書刊行会)
- 『間違いだらけの新聞報道』(共著 閣文社)
- 『南京事件の真実』ブックレット(日本政策研究センター)
- 「南京事件の数量的研究」(『軍事史学』平成2年通巻101号)
- 「南京事件-虐殺の責任論」(軍事史学会編『日中戦争の諸相』平成9年)
- 「「ラーベ日記の徹底検証」を批判する」(『正論』平成10年6月号)