春闘
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春闘(しゅんとう)は、日本において毎年春(2月)頃から行われる、賃金の引上げや労働時間の短縮などといった、労働条件の改善を要求する労働運動。春季賃金闘争の略称。
まずは自動車や電気機器、鉄鋼などの大手製造業(各社の労働組合が金属労協(IMF-JC)に所属しているため、金属産業と呼ばれる)が口火を切って交渉し、その年の労働条件の方向性が固まる。この後で大手私鉄や電力会社などの非製造業が交渉に入り、いわゆる大手企業の春闘が終了する。
公務員などの春闘もある。
この後、中小企業の労働条件の改善交渉が行われ、おおよそ3月中にはその年の春闘が終了する。
[編集] 春闘組織
- 全労連は、国民春闘共闘委員会
- 連合は、中央闘争委員会または中央執行委員会
[編集] 春闘賃上げ率
春闘賃上げ率は、各年の春闘の結果、各企業の使用者と労働組合間で妥結した平均の賃金引上げ率である。通常採用されている春闘賃上げ率の数値は、厚生労働省が発表している「民間主要企業春季賃上げ要求・妥結状況」における賃上げ率である。これ以外に、速報として日本経団連が発表している「春季労使交渉・大手企業業種別妥結結果」や「春季労使交渉・中小企業業種別回答一覧」などが利用される。
雇用者の賃金は、所定内給与だけでなく所定外給与(いわゆる残業手当など)や、賞与(ボーナス)にも大きく左右される。景気動向によって所定外労働時間は大きく変動し、また近年は賞与の支給も企業業績に連動するなどの方式を採用する企業も増加している。
多くの日本企業では、所定内給与(いわゆる本俸)の改定は春闘の結果を受けて年度単位で実施され、所定外手当てや賞与の計算も所定内給与を基礎に計算されるので、春闘賃上げ率は各年度の賃金の動向に大きな影響を及ぼしてきた。このため春闘賃上げ率は、その年度の雇用者所得の推計や、労働コストから物価上昇率に与える影響などの予測に利用されてきた。
近年、年俸制や賞与の業績連動制を採用する企業が増加し、各従業員の給与についても年功序列型で個人差の少ない賃金体系から、各個人の業績に応じて賃金格差を拡大させる方向に変化しているため、春闘賃上げ率が日本全体の雇用者所得の動向を示す指標としての役割もかつてに比べて低下している。
[編集] 関連項目
- 日本経済団体連合会(経団連)
- 日本労働組合総連合会(連合)
- 全国労働組合総連合(全労連)
- ストライキ
- 檄布