日産ディーゼル・UDエンジン
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日産ディーゼル・UDエンジンは、日産ディーゼル工業がかつて生産していた2サイクルディーゼルエンジンで、現在も同社のトラック・バスのCIとして親しまれるUDブランドの由来でもある。
- UDとは単流掃気方式のUniflow scabenging Diesel engineの頭文字を取ったもので、画期的なリアエンジンバスであったGMのシティトランジットで、アングルドライブと共にパッケージングの「キモ」であった2サイクル ディーゼルエンジンを参考に、1955年に発売された。
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[編集] 特徴
[編集] 基本構造
- 構造上の特徴は、何といってもその名のとおり単流掃気方式を採用したことにある。2サイクルではあるが、頭上弁(OHV)方式のエキゾーストバルブと強制掃気を行なうスーパーチャージャーを組み合わせることで4サイクルエンジンと同様給排気の流れが一方向になり、燃焼室に燃え残りのガスが残らない。
排気弁は当初の2バルブから4バルブになり、直列型では、カムも「ハイカム」と呼ばれたリフト量の大きいタイプへ変更された。
[編集] 利点
- 同一回転時の1シリンダーあたりの爆発回数が4サイクルエンジンの2倍であること。
- 低回転時にも十分なトルクが発生する。自動車用の場合は発進加速で有利。
- 低回転で運転されることが多い船舶用では特に有利であり、現在も大型船舶用のディーゼルエンジンには多く用いられる。
- 必要トルクが同じ場合、4サイクルエンジンより気筒数を少なくできる。軽量コンパクトで、ダウンサイジングが可能。
気筒数を減らさずに、ボア×ストロークを縮小する方法もあるが、その場合はスペースや部品点数、フリクションの面でメリットが無いため、気筒数を減ずる方法が一般的。 - 回転上昇が速い(レスポンスが良い)。
[編集] 欠点
- 吸気マニホールド内に掃気ポートから出たエンジンオイルがたまるため、定期的に抜く必用がある。
始業点検にはインマニのドレーンが含まれている。 - 直噴式のため騒音が大きい。
- 排ガスの浄化が難しい。HCが多い。
[編集] バリエーション
- 直列型
3、4、5、6気筒
- V型
8、12気筒
[編集] 搭載された車種
- トラック
- バス
- UD3 -
- 日産・U690
- 日産・UR690
- 日産ディーゼル・R/RA
- UD3 -