新境川
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
新境川(しんさかいがわ)は、岐阜県各務原市を流れる木曽川水系の川である。境川の分流であり、正式には境川放水路(さかいがわほうすいろ)というが、新境川と呼ばれる事が多く、国土交通省も新境川の名を最近は使用しているようである。
[編集] 歴史
境川はたびたび洪水を起こし、根本的な治水が必要であった。また、現在の各務原市の西部地域は農業用水が慢性的に不足していた。
そこで境川を現在の各務原市蘇原大島町より分流し、各務原市下中屋町にて木曽川(北派川)に合流する放水路が計画され、1930年(昭和5年)に完成する。
この新境川の完成を祝い、大正~昭和初期に活躍した地元(現在の蘇原大島町)出身の歌舞伎役者、市川百十郎が、1931年(昭和6年)新境川の堤防に約200本の吉野桜を植樹する。この桜を“百十郎桜”と呼ぶ。
[編集] 現在
木曽川(北派川)には洪水時しか木曽川の水は流れない。この為、新境川が木曽川と合流するのは、岐阜県羽島郡笠松町無動寺と各務原市川島笠田町との境である。
百十郎桜は、戦時中に燃料として殆どが伐採されてしまった。戦後、地元住民の手でソメイヨシノが植樹され、1000本以上の桜並木となっている。百十郎桜は日本さくら名所100選の一つである。