接語
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接語(せつご)とは、構文上は独立の語だが、発音上は他の語に付いて複合語のようになるものである。接語は一般に機能語であり、弱く発音されることが多い。小辞(しょうじ)と呼ばれることもあるが、れっきとした語なので接語のほうが良い。
日本語では、助詞が接語である。例えば「わたしが」の「が」は独立した語であり、「わたしが」は複合語ではないが、発音はひとまとまりである。英語では you're の 're や、I've の 've などが接語に当たる。
接語は接辞ではない。接辞は構文上も発音上も独立ではなく、複合語の中にしか現れない。接語は構文上は独立であり、一般に句や節と文法的な関係を持つ。「あの男は」の「は」は、構文上は「あの男」と結びついているが、発音上は「男」とだけ結びついている。
発音上、前の語と結びつく接語を前接語(ぜんせつご)、後ろの語と結びつく接語を後接語(こうせつご)と呼ぶ。ところが、発音のまとまりの中では、前接語は一番後ろであり、後接語は一番前である。したがって接置詞が接語なら、前後の呼び名が逆になる。日本語の格助詞、係助詞は、後置詞かつ前接語である。このため本職の言語学者でも前接語と後接語を間違えて逆に呼ぶことがある。前接語と後接語の違いは本質的ではないので、単に接語と呼ぶほうが安全だろう。