志村幸美
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志村 幸美(しむら ゆきみ、1958年12月15日~1998年8月21日)元劇団四季所属女優。神奈川県出身。東京芸術大学声楽科卒業。
1982年、劇団四季研究所入所。84年に「赤毛のアン」でデビュー。「キャッツ」のグリザベラ、「美女と野獣」のミセス・ポットなど、多くの作品でパワフルかつ伸びのある歌声・演技・ダンスで多くの観客に感動を与えた。
母親は、元宝塚歌劇団の女優・眞弓ひかり。
[編集] エピソード
野村玲子、保坂知寿と並んで劇団四季の看板女優として活躍していたが、1995年頃から肺がんを発症。その後も舞台生活を続けながら闘病生活を送り、1997年12月に治療に専念する為、退団。 懸命の治療を続けたが、1998年8月21日死去。享年39歳。遺族の意向で同年10月下旬に初めて公表された。
亡くなる2年前の1996年頃、作曲家のアンドリュー・ロイド・ウェバーからのたっての要望で、四季では「サンセット大通り」の上演計画が立っており、志村を主人公・ノーマ役にキャスティングする予定があった。しかし、志村の闘病並びに逝去により、計画は立ち消えになり、現在も上演の予定はない。
39歳というあまりに早すぎる死に、ファンの間には深い悲しみと衝撃が広がり、その後、四季の会員向け情報誌「ラ・アルプ」内で追悼特集が組まれた。
2000年に公演を行った「ソング&ダンス」の中では、日下武史より志村への追悼メッセージが贈られ、女性シンガー達によって彼女が出演予定だった「サンセット大通り」の歌が唄われ、観客共々その死を悼んだ。
その存在と誰にも真似ることのできない程の歌声の素晴らしさゆえに、現在でも彼女を愛するファンは多い。神奈川県内にある志村の墓前にはファンからの花が絶えず、命日には劇場に花が贈られたり、四季の俳優達やファンの間では伝説の女優として語り継がれている。
[編集] 出演作品
- 赤毛のアン(ステイシー先生、スローン夫人)
- アスペクツ オブ ラブ(ローズ)
- ウエストサイド物語(サムホエアの歌)
- エルリックコスモスの239時間(エルリック・コスモス)
- オンディーヌ(王妃イゾルテ)
- ガラ・コンサート(女性シンガー)
- 間奏曲(町の人々)
- キャッツ(グリザベラ、ジェリーロラム=グリドルボーン)
- クレイジー・フォー・ユー(ポリー・ベーカー)
- コーラスライン(ディアナ)
- 35ステップス(女性シンガー)
- ジーザス・クライスト=スーパースター(マグダラのマリア)
- ドリーミング(光、隣の娘)
- 美女と野獣(ミセス・ポット)
- ミュージカル李香蘭(李愛蓮)
- 夢から醒めた夢(マコの母)