平井宜雄
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
平井 宜雄(ひらい よしお 1937年4月19日 - )は、法学者。専門は民法及び法政策学。専修大学法科大学院院長。法制審議会委員。
民法学者としては、契約法、不法行為法など債権法分野の研究において評価が高い。法律行為概念の歴史的考察などより根本的問題における研究にも功績がある。他方、日本における法政策学の創始者としても名高い。"Law and economics"を「法と経済学」と和訳し、日本に紹介した。
[編集] 主要略歴
- 1961年3月 東京大学法学部第二類
- 1974年1月 法学博士東京大学
学位論文:『損害賠償法の理論』
[編集] 主著
- 『債権各論Ⅱ』(弘文堂、1992)
本書は不法行為を対象としたものだが、『債権各論Ⅰ』は契約が対象となる。近年、「契約法学の再構築」を研究テーマに掲げている著者の出版に期待が集まっている。
- 『債権総論(第2版)』(弘文堂、1994)
- 『法政策学(第2版)』(有斐閣、1995)
- 「いわゆる継続的契約に関する一考察」中川良延=平井宜雄=野村豊弘=加藤雅信=瀬川信久=廣瀬久和=内田貴編『日本民法学の形成と課題(下)』(有斐閣、1996)
継続的契約の中に資産特殊性があるゆえに継続的取引となるものと、そうではないが継続的取引となるものを分別して、前者については、市場と組織の中間に位置する中間組織であるとの説を提示している。
- 「契約法学の再構築(1),(2),(3)」ジュリスト1158,1159,1160号(1999)
法律家を養成する目的で,契約法に関する知識を体系的に伝達しようとするとき、民法の規定および判例学説に基礎をおくという方法は、大きな意味を持たない。契約法学の目的または任務を、「特定人(契約当事者たるべき者)の間の権利義務関係を事前に設計すること」と規定することが必要であるとの説を提示している。