常用対数
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常用対数(じょうようたいすう、Common logarithm)は 10 を底とする対数。日常的に用いられる記数法である十進法との親和性が高く、広く利用されている。日常的な、あるいはそれに近い文脈で用いられることが「常用」の名称をよく裏付けるものであると知れる。
[編集] 定義と概要
任意の正の数 a に対し、その常用対数 x は 10 を底とする対数として次の関係
- x = log10 a ⇔ 10x = a
によって定められる(用語などの仔細はおおもとの対数の項を参照されたい)。例えば、log10 2 ≒ 0.3010, log10 3 ≒ 0.4771, log10 100 = 2, log10 1000 = 3 となる。
底である 10 はしばしば省略を受け、単に log x と書かれる。このような省略は文脈上誤解の無い場合に行われ、常用対数の場合それは、工学や天文学等の十進法に基づく科学的記数法の用いられる文脈であると考えられる(常用対数以外の特殊な底に関する略記に関しては対数の項参照)。常用対数の値は、その真数が 10 のどの程度の冪と同等の規模の数値であるのかを示す指針である。実際、有効数字を a (0 ≤ a < 10) とし、a × 10s と表される数値は十進で s + 1 桁の数であり、逆に log x の整数部分 [log x] が s に等しい正の数は a × 10s (0 ≤ a < 10) の形に表される。
底の変換公式 loga x logb a = logb x によれば、常用対数の値は同じ数を真数とする自然対数の log 10 = 約 0.43 倍の値を示す。
- 水素イオン指数
- pH = -log10[H+]
[編集] 関連項目
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