岩重慶一
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岩重 慶一(いわしげ けいいち、1947年 - )は、日本のNGO活動家。共同体における新ビジネス開発と海洋環境利用政策・イルカセラピーの研究者鹿児島県出身。
鹿児島県立甲南高等学校卒業、1972年、西南学院大学経済学部を卒業後、三菱信託銀行に入行。神戸支店など都内支店営業を経て財務相談部営業推進役・ライフプランナー・コンサルタントを務める。さらに、銀行在職中に東京水産大学大学院水産学研究科資源管理学へ社会人入学、2001年に修了。その後、銀行退職し同大学の地域共同研究センター客員教授に就任し、起業論とベンチャーとコミュニティービジネスを担当。2004年の鹿児島市長選に出馬のため退官。2005年、三井不動産販売株式会社に入社。現在、アセットコンサルティング事業本部の情報開発営業部営業推進役を務める。2006年、東京海洋大学大学院(旧東京水産大学)に社会人入学。応用環境システム学の研究を通してコミュニティービジネスを総合的に論じる。
一方、イルカやクジラを通じて、子供たちに動物と共生することを教えたいと、1990年に高校の同級生とHAB21イルカ研究会を発足、「イルカの学校」の代表に就任。1993年から伊豆・東京都御蔵島周辺の野生のイルカと交流する御蔵島、和歌山の太地での「イルカの学校」スタディツアーを行うほか、1997年自ら絵と文を手がけた絵本「おでこちゃんとイルカのねがい」、三菱信託銀行研修会社(アップルプランニング)から「わたしたちはイルカの学校をつくった」を出版。その後、2004年に日本評論社から「イルカの学校」が発刊され全国で好評発売中。とくに、幼児から大人まで自閉症やうつなど心の解放を目的にイルカ交流リハビリプログラムを準備。「心の教育塾」を目指している。全国からの相談に応える仕組みづくりに邁進。
また東京大学教授・林良博らとメコン川でイラワジイルカの調査を行い、現地で開いた国際会議で、流域40キロをイルカ保護区にすることを決議した。10年横浜で第2回国際イルカ会議を主催し、同年同会は第6回横浜環境保全活動賞を受賞。また同年春から東京水産大学資源維持研究室で、「野生イルカの生息環境への対応 - 御蔵島におけるイルカの行動と環境について」を研究。2001年銀行を退職し、カンボジア・クラチエで地元の人々に資源を損なわない漁法やイルカの生態を教える"イルカの学校"を開く。日本とカンボジアのイルカを通した心の教育とキャットフィッシュの養殖とイルカの観光を軸足にした地域振興経済開発政策づくりとその実現に努力している。