安全衛生責任者
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安全衛生責任者(あんぜんえいせいせきにんしゃ)日本の建設業の現場において、事業主の代理として現場の安全を担うもの。
[編集] 概要
建設業の現場では重層下請けの態様から安全衛生に対する責任が希薄となるため、現場において元請負業者を頂点とした安全衛生の体制をとる。その末端で自社の作業員を指揮監督し自らも作業を行うようなものに安全衛生の責任者としての義務を負わせるものである。
労働安全衛生法第十六条によると、第十五条第一項又は第三項の場合において、これらの規定により統括安全衛生責任者を選任すべき事業者以外の請負人で、当該仕事を自ら行うものは、安全衛生責任者を選任し、その者に統括安全衛生責任者との連絡その他の厚生労働省令で定める事項を行わせなければならない。
二、前項の規定により安全衛生責任者を選任した請負人は、同項の事業者に対し、遅滞なく、その旨を通報しなければならない。
とあり、選任した場合元請に通報しなければならず、再下請負通知書にてこれが実行される。
[編集] 資格要件
平成13年3月26日基発第179号「「安全衛生教育の推進に当たって留意すべき事項について」の一部改正について」厚生労働省労働基準局長。により事実上安全衛生責任者教育というカリキュラムにそった教育を受けたものでなければならない。職長教育の受講をしていない場合は職長・安全衛生責任者教育という教育を受講する。技能講習でも特別教育でもなく「通達による教育」の区分となる。
職長としての要件が必要なので、現場で労働者を指揮するなどの経験があることが望ましい。