大陸書房
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株式会社大陸書房(たいりくしょぼう)は1967年から1992年まで存在した日本の出版社、映像ソフト会社。
[編集] 沿革
1967年12月、ノンフィクション専門の出版社として設立。1968年2月に「失われたムー大陸」を初出版、以後「失われた文明」、「怪奇・奇談」、「UFO」、「神秘・四次元」などのシリーズものを中心に刊行し、1970年代のオカルトブームの中で注目を浴びた。
業績は当初より良いとはいえず、1980年代に入ると経営危機が表面化。1986年には創業者が会長職に退き、父親が大陸書房の社主と関係があったという廣済堂出版出身の塚田友宏が社長に就任。新経営陣は漫画雑誌に参入し、数々の雑誌を創刊。さらに打開策として映像ソフト事業への参入を図る。その戦術は書籍の流通ルートを利用し、委託販売方式でビデオソフトを販売するというもので、現在では「書店売りビデオ」として一般化した手法であるが、当時としては初めての試みであった。
大陸書房のビデオは、一般のビデオで1万円を超えるのが普通だった時代に、1本1800円という破格の値段で発売され、初年度の1987年度には300万本の売り上げを記録するなど、大きな反響を呼んだ。業績も急回復し、同社はビデオのラインナップを映画の廉価版からアイドルもの、アダルトもの、アニメーションまで幅広く揃え、ビデオ販売への依存度を高めていく。
しかし、大陸書房の成功を見たビデオメーカーが相次いでセル市場に参入すると、ビデオの売れ行きは伸び悩み、委託販売方式のために大量の返品を抱え込むようになる。同社ではレンタルビデオ市場に進出するなど、経営多角化を図るが、業績が急激に悪化。1992年8月には東京地裁に自己破産を申請、倒産するに至った。負債額は97億円余にのぼり、出版界としては当時最大級の経営破綻だった。
[編集] ビデオレーベル
- ピラミッド(PYRAMID)
- FOXY
- Galaxy
[編集] 主な雑誌
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