大学芋
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大学芋(だいがくいも)とは、サツマイモで作る菓子の一種。家庭でも簡単に作れ、栄養価も高く、甘さと食べ応えがあることから、子供や女性のおやつとして人気が高い。
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[編集] 作り方
作り方はおよそ以下の通り。
サツマイモは、揚げる前に水に漬けて灰汁抜きをしておくとおいしく仕上がる。ただし、灰汁抜きの後よく水を切ってから油に入れないと、油が跳ねて危険である。中心まで火が通るように160度程度の中~低温の油でじっくりと揚げたほうがよい。
皮をむかずにそのまま揚げたほうがおいしいという人と、皮をむいたほうが見た目がきれいで良いという人がいる。
砂糖と水は、少し糸を引くくらいの粘り気が出るまで煮詰める。水飴や蜂蜜を使って作ることもある。三温糖を使うと味にコクがでる。また、少量の醤油を入れたり、酢を入れるというレシピもある。
揚げたサツマイモは冷める前に蜜をからめるときれいにできる。蜜をからめたらすぐに氷水に通して冷やすと、蜜がきれいに固まり、美しい。蜜を冷やさずにイモを並べておくと、冷えた時にひと塊になるのできわめて食べづらい。
仕上げにゴマを振りかけることが多い。温かくても冷めてもどちらでもおいしいが、蜜がまだ熱いうちはやけどに十分注意すること。
[編集] 歴史
大正時代に、東京の神田近辺の大学生が好んで食べていたため、この名前がついたといわれる。また、昭和初期に東京大学の学生が学費を捻出するためにこれを作って売ったのが名前の由来だという説もある。
[編集] 類似の食品
中国には「抜絲紅薯(バースーホンシュー básī hóngshǔ)」、「抜絲白薯(バースーバイシュー básī báishǔ)」、「抜絲地瓜(バースーディーグワ básī dìguā)」などと呼ばれる、似た作り方の料理があるが、全般にからめる飴の濃度が濃く、熱いうちにとりわけないと、芋と芋、あるいは、芋と皿がくっついて取り分けられなくなる点や、ゴマを振ることは少ないなどの違いがある。熱い内に各自が取り分け、別途碗に用意した水にくぐらせて飴を固め、パリパリした食感で食べるデザートである。このタイプのものは関西地方でよく好まれ、有名なところでは『ポテトのアトリエ』という専門店で売られている。中国ではサツマイモ以外にも、ヤマイモやリンゴなどの果物で作ることも多い。なお、台湾には、このタイプのものも、日本タイプのものもある。