垂れ流し
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垂れ流し (たれながし) は、他から受け取ったり内部で生成したりしたさまざまなものを貯蔵、処理することなくそのまま放出し続けることをいう。主に好ましくない成分を含んだ液体についていうが、下記に示す通り、比喩的な用法もある。
- かつては工業廃液を、十分な処理をしないまま河川や海に放流した。その結果、公害が各地で発生した。
- 下水道普及以前は家庭から出る生活排水もまた、処理されずに河川に流された。その結果さまざまな水系の富栄養化が進行した。
- 鉄道車両の便所設備において、汚物を水で流したあと、汚水をそのまま管から地面に放出する方式の俗称。沿線に「黄害」をもたらした。現在では床下の汚物処理装置に汚水をたくわえ、車両基地で処理するようになった。
- 重度の痴呆ないし認知症の患者、麻痺がある場合、人工肛門を設置した場合等、排便、排尿の制御がうまくいかなくなることがある。適切な介護ないし処置が必要である。
- 放送ではキー局の番組をネット局がまったく手を入れる事なく、そのまま放送すること。事実上、地方局が単なる中継局に過ぎなくなる状態である。場合によってはCMまで垂れ流し状態になり、例えばキー局のある地域(主に関東)でしか展開していない店舗のCMを九州の局が垂れ流しを受ける場合もある。
- インターネットラジオでは音楽、ラジオ局の番組などをそのまま放送することを指すこともある。著作権上ではタブーであるが、ニュース速報(VIP)板などで頻繁に行われる。