土用
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土用(どよう)とは、五行思想に基づく季節の分類の一つで、各季節の終りの約18日間のことである。
五行思想では、春に木気、夏に火気、秋に金気、冬に水気を割当てている。残った土気は季節の変わり目に割当てられ、これを「土用」と呼んだ。
平気法においては立夏・立秋・立冬・立春の前の18日間としていたが、定気法を用いている現在では、太陽黄経に基づいて期間が定められている。
- 春の土用 : 黄経27度の点を通過する瞬間から立夏(45度)まで
- 夏の土用 : 黄経117度の点を通過する瞬間から立秋(135度)まで
- 秋の土用 : 黄経207度の点を通過する瞬間から立冬(225度)まで
- 冬の土用 : 黄経297度の点を通過する瞬間から立春(315度)まで
なお、土用は各季節の終りにあるが、一般には夏の土用を指すことが多い。夏の土用の丑の日には、鰻を食べる習慣がある。
土用の間は土の気が盛んになるとして、動土・穴掘り等の土を犯す作業や殺生が忌まれた。ただし、土用に入る前に着工して、土用中も作業を続けることは差し支えないとされた。また、下記に示す「土用の間日(まび)」には土用の障りがないとされた。