国民義勇隊
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国民義勇隊(こくみんぎゆうたい)とは太平洋戦争末期に、本土決戦に備えるために創設された国民総動員組織のことである。終戦に伴い消滅した。
1945年3月に閣議決定され、6月には大政翼賛会、大日本壮年団、大日本婦人会などを吸収・統合した。
国民義勇隊は、各地域、職場ごとに編成され、前者は町内会・部落会を単位小隊とした市町村国民義勇隊、後者は官公署・工場・会社などを単位小隊とした職域国民義勇隊となり、その上に前記二つの義勇隊を合体した連合国民義勇隊が作られていた。
義勇兵役法で男子は15歳ないし60歳、女子は17歳ないし40歳まで召集されることになっていたが年齢をさらに引き上げ、男子65歳以下、女子45歳以下を国民義勇隊とし、さらに必要に応じて男子50歳以下、女子40歳以下を国民義勇戦闘隊として召集することもできた。義勇戦闘隊は2800万人が本土決戦に動員される予定だった。
[編集] 戦史
終戦直前の最末期に編成され、実際に本土決戦が生起する前に終戦を迎えたため、大多数は実戦を経験することはなかった。 しかし、樺太で編成された国民義勇戦闘隊は終戦直前の8月9日に樺太に侵攻してきたソ連軍を迎撃するため通常部隊とともに18日の停戦まで戦闘に参加し、劣悪な装備状況にもかかわらず善戦している。