国民戦線 (フランス)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
国民戦線 (こくみんせんせん フランス語:Front national 略称:FN)は、フランスの極右政党。党首は、ジャン=マリー・ルペン。反EU、移民排斥を掲げ侮りがたい勢力をもっている。国民戦線自身は自らを「保守本流」と称しているが、メディアからは極右として扱われている。
[編集] 概要
1972年10月にアルジェリア独立反対派などの極右勢力が集まって、ルペンが創設した。結成当初は、弱小政党だったが、80年代に入りフランス経済が悪化し失業者が急増すると支持を広げていき選挙ごとに票が増えていった。しかし、1997年以降、景気が回復し失業率が解消され始めると支持率が低下した。さらにルペン党首の度重なる暴言や1997年の国民議会選挙時の社会党候補への暴行事件に対し、ナンバー2のブルノ・メグレが反発する。1998年12月の欧州議会選挙を巡って対立は激しくなり、メグレ派は離党して1999年1月に新政党「共和国国家運動」を結成、国民戦線に打撃を与えた。この時期に党員や活動員をかなり減らした。それでも人気があり2002年の大統領選挙に出馬したルペンは、決戦投票まで残り世界を驚愕させた。結局敗れたが、2005年に発生した2005年パリ郊外暴動事件以後、行われた世論調査では支持を伸ばしておりその動向が依然として注目されている。
国民戦線は、フランス人至上主義を掲げ、黒人移民排斥を唱えているが一部のフランスの海外県や海外領土の黒人からは支持されている。これは、他国からの移民によってフランス人としての権利が奪われていると感じているからである。また、ルペンの側近の一人ブルーノ・ゴルニッシュは京都大学に留学した経験を持ち妻は日本人である。近年は、ヨーロッパ諸国の極右と協力関係にある。
[編集] 参考文献
『パリの移民・外国人 欧州統合時代の共生社会』 本間圭一(著 ) 高文研
[編集] 外部リンク
- 公式サイト
- The Guardian: The true face of the National Front
- 1995 presidential election
- Brookings Institution analysis of anti-Semitic violence in France and the rise of Front National
- University of Sunderland analysis of Front National, published 1998
- BBC News report of the party split in 1999
- FYI France, "The Front National" (extensive bibliography, works in English & French & other)
- True Fascists of the New Europe, by Pat Buchanan, column dated April 30, 2002.