四丁目の夕日
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『四丁目の夕日』(よんちょうめのゆうひ)は、1985年7月から1986年7月までガロに連載されていた漫画。作者は山野一。
目次 |
[編集] 概要
山野一の初期の代表作ともいえる一冊で、初の連載作品。工場労働者の悲惨な環境と、人間の負の部分を嫌というほどに見せ付ける描写は圧巻。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] あらすじ
大学受験を目指し勉学に励む主人公別所たけし、そんな彼の人生は母の事故から始まる連鎖反応的な不幸により無間地獄へと墜ちていく……。
[編集] 登場人物
[編集] 主人公、家族、親友
- 別所たけし
- 本作の主人公。都内随一の進学校「K高」に通う高校3年生。実家は印刷工場「別所軽印刷」。一ツ橋合格を目指し目下受験勉強中。ある日ガールフレンドの恭子とのケンカがきっかけで、偶然居合わせた暴走族に因縁をつけられ、ボコボコにされてしまう。
- 立花に助けられて家に帰ると、母親が大怪我を負って救急車に収容されるところだった……。
- 父親の死後、会社を継ごうとするも倒産。家も引き払い、異常者たちの住むボロアパートへと引っ越す。妹たちを育てるために退学して鉄工所に勤務するもそこでもイジメにあい、徐々に精神を蝕まれてゆく。
- 二年ほどたって少々暮らし向きがよくなり、ある日弟の誕生日パーティーを開いている最中、押し入った不審者(後述するアパートの住人である老人)に弟と妹を惨殺される。老人から斧を奪い返り討ちにするも、そのまま発狂して街へ飛び出し通行人を片っ端から斧で乱打。十数人を殺害する。逮捕後、精神病院に強制入院させられるが、30年後に清掃業の職を得て社会復帰。新しい職場では人気者となり第二の人生をスタートさせる。
- たけしの父
- 印刷会社「別所軽印刷」社長。長年工員をやっていたが、中卒ゆえの学歴コンプレックスから(怪しい金融会社から借金をしてまで)独立。それゆえに子供たちに対して学業には厳しい。
- 妻の治療費を捻出するために仕事量を3倍に増やし眠る間もなく働くが、睡眠不足でふらついた拍子に印刷機に巻き込まれ死亡。
- たけしの母
- 自宅の焼却炉でごみを燃やした際に、混入していたスプレー缶が爆発。長期的な入院とリハビリを余儀なくされる。本人の過失のため保険が降りず、このために別所家は莫大な負担を強いられる。
- 三平
- 別所軽印刷に勤める中卒の工員。まじめで朴訥とした青年。会社倒産後には登場しない。
- 立花
- たけしの同級生で親友。大商社、立花物産の御曹司ではあるが、気取ったところがなく嫌味のない性格。転落してゆくたけしを心配していた。最後は慶応大学を主席で卒業後、立花物産の社長に就任。才色兼備な妻を娶り、快適で有意義な一点の曇りも無い人生を送る。
- 恭子
- たけしのガールフレンドで極めて自己中心的な性格。暴走族に絡まれたところを立花に助けられたことをきっかけに、転落してゆくたけしを早々に見限り立花に鞍替えする。が、立花は内心煙たがっていた様子で、結局最後には立花との関係を金で片付けられ、仕方が無いのでサラリーマンと結婚、平凡な主婦としての人生を送る。
- 鉄工所の先輩
- かつて別所軽印刷に勤めていたが、たけしの父と衝突し退職。入社してきたたけしを執拗に苛める。たけしに父の死を尋ねた際にしつこく続ける「なあ、ぐっちゃんぐっちゃんだったんだろ? 」は作中屈指の名台詞。
- アパートの住人
- 会社倒産でたけしが家を失って移り住んだアパートの住人。二人登場し、一人は常にマスクとサングラスをつけて、いつも殺虫剤を噴霧しているだけの人物。もう一人は精神に異常をきたした老人で、奇声を発しながらたけしの弟を追い掛け回すなど異常な行動が多い。後に弟の誕生パーティー中の別所宅に押し入り、たけしの妹と弟を斧で惨殺するも、発狂したたけしに返り討ちにあう。
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