分娩
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分娩(ぶんべん)とは、哺乳類などの胎生の動物で、胎児が雌の胎内(子宮内)から出ること、および出る経過を指す。お産(おさん)、あるいは出産(しゅっさん)とも言うが、出産は社会的、文化的側面も含み、分娩よりも広い概念である。
胎児がその種の標準に照らし合わせて十分成熟して体外に出る場合を正期産と呼ぶ。 正期産分娩に至るまでの期間や分娩時の成熟度は種によってまちまちである。 標準より早い場合は「早産」「流産」、遅い場合は「過期産」と呼ぶ。
分娩(お産)が比較的楽にできる場合は「お産が軽い」、何らかの困難を伴う場合は「お産が重い」という言い方をする。 カンガルーのようにごく小さく産む種ではお産は軽いが、人間のように胎児が大きい場合、お産は重くなる。
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[編集] 人間の分娩
通常妊娠40週頃において、子宮筋が周期的に収縮を繰り返し始める(「産気づく」)。最初は、間歇的に突っ張る程度だったのが、だんだん強度と頻度を増していく)。子宮の定期的な収縮が10分間欠、または1時間に6回となった時点で陣痛発来という。子宮の収縮で胎児の頭が子宮口をだんだん押しひろげていく。子宮口が広がることを子宮口開大と言う。収縮を繰り返すうちに、胎胞の卵膜が破れて羊水が出る(破水)。直径10cmで「全開大」。 陣痛と同時に産婦に「努責(いきみ)」がおこり(息を止めて腹に力を加えるような状態)、胎児はゆっくりと回旋しながら産道を下降し、ついには母体から出る。
分娩は第1期から第3期まで分けられる。
[編集] 正常経膣分娩の所要時間
経産婦では各々約6時間、1時間、10分、初妊婦ではその倍の約12時間、2時間、20分、といわれているが、その所要時間は個体差が著しい。
[編集] 分娩第1期
分娩第1期は分娩開始(陣痛発来)から、胎児が下降して子宮口全開大になるまで。分娩第1期を開口期とも言う。
[編集] 分娩第2期
分娩第2期は子宮口全開大から胎児が娩出されるまで。胎児が娩出する事を児娩出と言う。分娩第2期は娩出期とも言う。
[編集] 分娩第3期
分娩第3期は児娩出から胎盤等が娩出し終わるまで。児娩出によって不要となった胎盤は、児娩出の後数分で剥がれ、娩出される。胎盤は胞衣と呼ばれることがある。後産によって胎児付属物が娩出される事を後産娩出と言う。分娩第3期は後産期、後産とも言う。
元気な新生児は出生直後から啼泣し、肌は赤みがかっている。分娩中の低酸素状態により大きなストレスがかかった新生児は産声を上げず、肌は血の気がなく青白いことがある。直ちに蘇生処置が必要となる。娩出直後の児の状態をあらわす指標にApgar scoreがある。
[編集] 分娩の異常
分娩は「分娩の3要素」全てが揃わないと正常に営まれない。分娩の3要素とは、娩出力、産道、娩出物(胎児、胎盤、等)、であり、これらが揃わないと難産となる。
[編集] 産道の異常
産道の評価方法としてビショップスコアがある。
- ビショップスコア(Bishop Score、Bishopスコア)
点数 | [単位] | |||||
0 | 1 | 2 | 3 | 点 | ||
検査項目 | 児頭下降度 | ~-3 | -2 | -1~0 | +1~ | [Sp] |
頚管開大度 | 0 | 1~2 | 3~4 | 5~ | [cm] | |
頚管展退度 | ~30 | 40~50 | 60~70 | 80~ | [%] | |
子宮口の位置 | 後方 | 中央 | 前方 | |||
子宮口の硬度 | 硬 | 中 | 軟 | |||
表.1 ビショップスコア |
-
- ビショップスコアは子宮頚部の熟化を判定する指標。
- 方法
- 右の表.1を元に点数を合計して算出する。
- 判定
- 13点満点中、判定は~8点で頚管未熟、9点~で頚管熟化と判定する。
ビショップスコア | 判定 |
~8点 | 頚管未熟 |
9点~ | 頚管熟化 |
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- 歴史
- ビショップ博士によって考案された。
- 歴史
[編集] 娩出物の異常
巨大児は経膣分娩においては難産になりやすく、分娩停止に陥りやすい。特に児頭が通っても肩が通らないことを肩甲難産と言う。児頭娩出後に前在、後在娩出が長引くようであれば肩甲難産である。
[編集] 帝王切開
骨盤位や狭骨盤など、経膣分娩での危険が予想される場合、妊娠高血圧症候群などで妊娠を早期に終わらせる必要がある場合、胎児が極小のうちに早産が避けられない場合などに、胎児および母体の安全を図るため、帝王切開が行われる。
[編集] 種類
- 分娩の重さにはかなり個人差がある。
- 初産の場合、産道・子宮口が固いため、通常は分娩に時間がかかる。第一子を通常分娩で出産した婦人の場合、第二子以降の分娩は、第一子の時に比べて軽くなる。
- 「流産」
- 「早産」
- 「過期産」と呼ぶ。
分娩直前
- 胎児
- 子宮収縮
- 子宮口
- 産道
- 分娩準備 - 点滴、監視装置ほか
陣痛
- 個人差
- 陣痛微弱
- 陣痛促進剤 - 問題点
- 分娩監視装置
- 監視(表示・記録・警報)する生体現象は、母体の子宮収縮曲線(陣痛の度合い)、母体の心電図および心拍数、胎児の心電図および心拍数の概ね3点である。陣痛による子宮収縮が起こると胎児は圧迫され胎児心拍数は低下する。子宮収縮の間隔が定期に移行することと、過度の胎児心拍数低下を監視する目的を持つ装置。母体へは子宮底部の硬直状態を検出するトランスデューサがベルトによって腹部に装着され、母体および胎児の心電検出の電極が心電計と同様に四肢に装着される。胎児心拍の検出には母体心拍検出用の電極が兼用され、特許を含む高度な電子回路によって母体と胎児の心電が分別される。多胎を想定し胎児の心電検出のロジックには高度の電子技術が用いられている。
正常分娩の過程
- 分娩第1期
- 分娩第2期
- 分娩第3期
異常分娩
- 胎児の異常
- 産道の異常
- 娩出物の異常
- 帝王切開
- 墜落分娩
無痛分娩
- 医薬的手段
- ラマーズ法
- その他
産後:産褥期
[編集] 関連項目
- 出産方法: 呼吸法、ラマーズ法、水中出産、LDRシステム
- 帝王切開