内田クレペリン精神検査
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
内田クレペリン精神検査(うちだくれぺりんせいしんけんさ)は、ドイツの精神医学者であるクレペリンが発見した作業曲線 を元に、日本の内田勇三郎が1920年代から1930年代にかけて開発した性格検査・職業適性検査である。
ひと桁の足し算を5分の休憩をはさんで前半15分、後半15分の30分間行なわせた上で、1分ごとの作業量の継時的な変化のパターンから性格や適性を診断する。診断の基本的な考え方は、健康で性格面・適性面に大きな偏りのない人に典型的に出現する曲線型を「定型曲線」として置いた上で、その定型曲線との類似度やズレ、定型にあてはまらない曲線特徴の現われ方などからその人の性格や適性をみようとするものである。この検査は内田の期待に反して性格検査としてはあまり成功しなかったが、特に電車や自動車、航空機などの運転操縦への適性が曲線型とよく関連する事から、職業適性検査としては非常に有効であり、現在でも年間100万人以上に利用される日本を代表する適性検査となっている。又、日本企業を経た海外での使用も増えている。なお、この検査は「クレペリン検査」という通称で呼ばれ、内田勇三郎 が検査の販売や実施・判定のために設立した日本・精神技術研究所以外の業者からも類似の検査が多数発売されている。
[編集] 参考文献
外岡豊彦監修 『内田クレペリン精神検査・基礎テキスト』日本・精神技術研究所、1975年