兼坂弘
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兼坂 弘(かねさか ひろし、1923年5月18日 - 2004年11月28日)は、元いすゞの技術者でエンジンコンサルタント・自動車評論家である。
いすゞを退社後、エンジンコンサルタント(株式会社兼坂技術研究所)として活動する。
モーターファン誌での連載、毒舌評論は、現役技術者をエンジンの基礎を知らぬ「コドモ」と称し、歯に衣着せぬ文章は人気を集め「究極のエンジンを求めて」として単行本化された。しかし、様々な知識を持ち合わせる故、その中から脱却出来ない面も時折みられ、ホンダのF1開発者に「何故V10なんだ。あんなものまともに走らん。さっさとV12にしろ」といった噛み付き方をしたところ、あっさりと「それでもちゃんと走っていますし、優勝もしていますから」と返されている。現実として物造りに携わる者に対し、己の知識の中から物事を考察する一介の評論家が意見すると簡単に返り討ちにあうという、悪い見本を読者に見せつける一面があった。
当初から一貫してミラーサイクルエンジンの自動車用エンジンへの応用の可能性を追求し、いすゞ退社後も自ら実験を行った。
ミラーサイクルエンジンとリショルム・コンプレッサの組み合わせは、後にマツダにより量産車世界初のミラーサイクルエンジンとして実用化され、氏も紺色のユーノス800を所有していた。 スクリュー・コンプレッサを、発明者のアルフ・リショルムの名前を取り、リショルム・コンプレッサという名称を日本国内に広めたのは氏であるとされている。
晩年はディーゼルエンジンの排気ガス浄化システムの開発に尽力した。
[編集] 著作
- 究極のエンジンを求めて-兼坂弘の毒舌評論
- 続・究極のエンジンを求めて-兼坂弘の毒舌評論
- 新・究極のエンジンを求めて-兼坂弘の毒舌評論
[編集] 外部リンク
- にんげんドキュメント(NHK)