児童相談所
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児童相談所(じどうそうだんじょ)は、児童福祉法第12条に基づき、各都道府県に設けられた児童福祉の専門機関。児相とも略称される。すべての都道府県および政令指定都市(2006年4月から、中核市にも設置できるようになった)に最低1以上の児童相談所が設置されており、都道府県によってはその規模や地理的状況に応じて複数の児童相談所およびその支所を設置している。
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[編集] 業務の内容
児童すなわち0歳から17歳の者(児童福祉法4条)を対象に以下のような業務内容を行っている(児童福祉法11条の2)。
- 児童に関する様々な問題について、家庭や学校などからの相談に応じること。
- 児童及びその家庭につき、必要な調査並びに医学的、心理学的、教育学的、社会学的及び精神保健上の判定を行う。
- 児童及びその保護者につき、前号の調査又は判定に基づいて必要な指導を行なうこと。
- 児童の一時保護を行う。
[編集] 相談の種類
相談の種別は、五つに大別される。
- 養護相談 父母の家出、死亡、離婚、入院などによる養育困難、被虐待児など。
- 保健相談 未熟児、虚弱児、小児喘息など。
- 心身障害相談 障害児、発達障害、重度の心身障害など。
- 非行相談 虚言、家出、浪費癖、性的な逸脱、触法行為など。
- 育成相談 性格や行動、不登校。
[編集] 職員
各児童相談所には、一般の行政職員(国家公務員でいうところの事務官)に加え、精神衛生の知識のある医師、大学で心理学を学んだ児童心理司、また児童福祉司(2年以上の実務経験か、資格取得後、2年以上所員として勤務した経験が必要)などの専門職員がいる。専門職員は国家公務員でいうところの技官に相当する内容の職種であるが、自治体によっては補職が「技術吏員」ではなく、ただの「事務吏員」扱いになっている場合もある。
都道府県では土木の用地交渉や生活保護のケースワーカーなど、利害調整や相談に関係する業務に関しては伝統的に専門職員ではなく、一般の行政職員で対応することが多いことから、専門職の仕事と認識されていない場合も少なくない。このことから児童虐待などの相談に関しても専門職員の数が十分でなく、一般の行政職員で対処せざるを得ないケースが少なくないものと思われる。特に専門的な知識が必要と判断される場合には専門職員も出てくるものと思われるが、一般の行政職員の中には保健福祉とは関係のない部署から人事異動により初めて異動してくるケースも多く、専門職員の確保(行政職員で、専門教育を受けた者の確保も含む)と併せ、高度な知識、交渉能力、洞察力を要する相談業務に耐えうる人材の育成も課題となる。
[編集] 児童虐待の対応について
外部から児童虐待の情報が寄せられても、警察のような強力な権限が児童相談所には与えられていないため、自ら動くことができず、結果的に虐待を受けた子供の命が失われ、事件として報じられることが後を絶たない。
諸法令には警察との連携もうたわれてはいるが、民事不介入の警察の原則もあり、現状では児童虐待への対応は不可能に近い。