仙台初売り
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仙台初売り(せんだいはつうり)は、1月2日に行われる仙台市の伝統行事である。
[編集] 仙台初売りの始まり
仙台初売りの始まりは藩政時代までさかのぼる。当時は年々藩の商圏が拡大し、現在の初売りの原型が藩外にも広く知られるようになったものだと考えられている。
仙台初売りは明治時代、大正時代になっても伝統的に受け継がれた。商品の価格を上回る豪華景品などを提供したことや、行事の色彩を高めたことが人気を呼び、全国的に知られるようになった。特に、豪華な景品や特典などについては、公正取引委員会において、旧仙台藩領内における初売りかぎりの特例ともなっている。
[編集] 開催日の歴史
当初から仙台の初売りは1月2日であったが、1975年、職住分離の進歩・従業員の労務対策などの理由により、1月3日に変更され、1994年まで「仙台初売りの実施日は1月3日」として19年間守られてきた。
- しかし、その間仙台近郊の大型店やロ-ドサイド店が1月1日や1月2日に実施していることや、景気の悪化に伴う消費の低迷、規制緩和が進むなか「3日実施見直し論」が高まり、1995年からは当初の「1月2日開催」に戻された。ところが、21年ぶりの2日実施には戸惑いもあり、消費者・商業者共に不評だったため、1996年は1月3日として合意されたが、小売店側で対応が分かれ、結果2日と3日の分裂開催になってしまった。
- 1997年から1999年の3年間は2日実施となったが、2000年からはジャスコ株式会社(現在のイオン株式会社)の岡田元也社長の提案により、大型店は「元旦は通常営業」し、「初売りは2日から大々的に行う」ことで決着し現在に至る。
- この経緯から、市外では元旦から開催している大型店(ジャスコ、マックスバリュ、ヨドバシカメラ、デンコードー、電撃倉庫、イトーヨーカ堂など)も、仙台市内の店舗では元旦は通常営業とし、2日から初売りを行うようになった。
- しかし、2006年から開催は各小売店の判断に任される形になっており、コナカや弐萬圓堂のように、市内でも元旦から初売りを行うところも少数だがある。前述の大型店以外は、元旦休業、2日初売りの店がほとんどである。
- 全国にあわせ元日からの開催を求める声が上がる一方、労働条件の問題や伝統を守る観点から「2日開催」で統一すべきという意見も根強く、開催日については今なお意見の分かれているのが現状である。