乱流
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乱流(らんりゅう)は、流体の流れ場のうちで非定常性を持つ物。逆に定常的な流れ場は層流と呼ばれる。
生活の中でのわかりやすい例としては水道の蛇口から流れる水がある。水道の水は流れが少ないときはまっすぐに落ちるが、少し多くひねると急に乱れ出す。このとき前者が層流、後者が乱流である。 生活の中で見られる空気や水の流れはほぼ全てが乱流であるだけでなく、熱や物質を輸送し拡散する効果が非常に強いので工学的にも非常に重要である。 層流と乱流のおおよその区別はレイノルズ数によって判断され、レイノルズ数の値が大きいと乱流と判断される。
乱流の確立した定義は現時点においてもないが、数学的にはナヴィエ・ストークス方程式の非定常解の集合であるということができる。
乱流の数値シミュレーションは、気象予報や自動車等の空力設計からノートパソコンの冷却まで工学的には非常に幅広く利用されている。しかも計算機性能を限りなく要求するため、スパコンの重要な用途の一つになっている。