ヴァンガード (英海軍)
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ヴァンガード(HMS Vanguard)は英国海軍の伝統的艦名。
英国海軍には歴代、少なくとも10隻の「HMSヴァンガード」が存在する。
HMSはこの場合、「女王陛下の船 (Her Majesty's Ship) 」または「国王陛下の船 (His Majesty's Ship) 」の頭文字である。
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[編集] ヴァンガードの歴史
[編集] HMS Vanguard (1992)
- 詳細はヴァンガード級原子力潜水艦を参照。
最新型HMS Vanguard (S28) は弾道ミサイル搭載原子力潜水艦(SSBN)。英国の戦略核抑止力の切り札で、核弾頭を装備したトライデントII弾道ミサイルを16基搭載。
[編集] HMS Vanguard (1946)
高速戦艦ヴァンガード(HMS Vanguard)は英国海軍最後の戦艦。
第二次大戦前に空母へ改造された大型軽巡洋艦「カレイジャス」級が搭載していた15インチ砲は全て予備として倉庫に保管されていた。そこで、その砲を利用して新たな戦艦1隻を建造しようという案が出された。折しも第二次大戦の勃発により新造戦艦 「ライオン」級の建造も中止となり、資材と機関が宙に浮く事からチャーチル首相の強力なプッシュも有って1941年10月から建造が開始されたのである。
ヴィクトリーの流れを汲む英国戦艦の集大成とも言えるべき艦となる手筈であったのだが、実際は戦時中という状況下で、「キング・ジョージV世」級戦艦の設計に手を加えた戦時急造艦のイメージが覆せない艦となった。本艦の評価を下げているのは、第一次大戦型の「1915年式38.1cm(42口径)砲」を採用している為に、戦艦の基本である「前級よりも有力な攻撃力を持つ」を満たしていない事が挙げられる。しかし、装甲貫徹力は近距離ではネルソン級の40.6cm砲にやや劣るが、遠距離砲戦での水平装甲に対する打撃力はやや上回るだけの能力を持ち、「キング・ジョージV世」級の35.6cm砲に比べると全距離で装甲貫徹力は上回り、また砲弾重量は前者が721kg対879kgと一発当たりの打撃力は圧倒的に上回っており、また斉射重量も「キング・ジョージV世」級と殆ど変わらない為、全く他国主力艦と戦えないと言う事も無く、搭載に当たって新型スーパー・ヘビー・シェル砲弾(戦争勃発等の理由により開発されず)運用能力や薬室拡大と仰角の増大による長射程化(最大射程26,520m→33,380m。砲戦距離の短い欧州戦に限定するならば充分な性能である)といった改造も受けている為、まずまずの艦であるといえる。(実際問題として、仮想敵である独「ビスマルク」級との交戦では、遠距離においてヴァンガードが有利であるが、20,000m以内の中近距離では垂直装甲を容易く抜かれて大被害を被る可能性が高く、より防御力・攻撃力に勝る米日仏伊新戦艦相手では優位に立つ事は難しいと言うのが英国と日本以外の最近の評価である)
また、「プリンス・オブ・ウェールズ」沈没の戦訓から学んで改良が加えられた防水区画(実際はまだまだ奥行きが狭く、隔壁数も少ない為、英国新戦艦の水雷防御は「旧来のデータで作られた独逸新戦艦」と「欠陥を持つプリエーゼ式の伊改装戦艦・超弩級戦艦」を除けば余り褒められない)、強力な対空兵装(機関砲の数は充実しているため、問題が指摘された13.3cm両用砲を補えると判断された。後にエンガノ岬沖海戦での航空戦艦伊勢型の戦訓から妥当な判断といえる)や英国戦艦中最速の速力(本艦だけはカタログデータどおりの速力が出せた)などは、他国戦艦と比較しても引けを取らない、立派なものであった。前級と比べて航洋性が優れており、米海軍との合同演習中、嵐に遭遇した当艦は米海軍が誇る 「アイオワ」級戦艦の半分程しか動揺せず、名実共にやっと他国欧州戦艦のレベルに追いついたと言えよう。
海軍では1944年の完成を見込んでいたのだが、戦闘による損傷艦の修理や、熟練工員の不足などから建造は遅延し、ようやく竣工したのは、終戦後の1946年になった。そのため戦闘に参加する機会も無く、英国海軍最後の戦艦は王室専用ヨット的な扱いを受けた後、練習戦艦として生涯を閉じた。
- 水線長:246.6m
- 全長:249m
- 全幅:32.8m
- 吃水:9.4~10.6m
- 基準排水量:44,500トン
- 常備排水量:48,500トン
- 満載排水量:51,420トン
- 兵装:38.1cm(42口径)連装砲4基、13.3cm(50口径)連装両用砲8基、40mm(56口径)ボフォース機関砲73基
- 機関:アドミラル重油専焼缶8基+パーソンズ式減速ギア付きタービン4基4軸推進
- 最大出力:130,000hp
- 航続性能:20ノット/9,000海里
- 最大速力:29.75ノット
- 装甲
- 舷側装甲:355.6mm~114mm
- 甲板装甲:152mm~127mm
- 主砲塔装甲: 330mm(前盾)、-mm(側盾)、-mm(後盾)、152.4mm(天蓋)、パーペット部:330mm
- 司令塔:-mm
- 航空兵装:-
- 乗員1,590名
[編集] HMS Vanguard (1909)
弩級戦艦「ヴァンガード」は、セント・ヴィンセント級の2番艦。 排水量19,500t、30.5cm砲10門。WWI中の1917年、スカパ・フロー軍港(UK; グランドフリートの母港)にて、原因不明の火薬庫爆発事故で沈没。
[編集] HMS Vanguard (1869)
[編集] HMS Vanguard (1835)
[編集] HMS Vanguard (1787)
[編集] HMS Vanguard (1748)
[編集] HMS Vanguard (1678)
[編集] HMS Vanguard (1631)
[編集] HMS Vanguard (1586)
[編集] 関連項目
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