ロバート・シオドマク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ロバート・シオドマク(Robert Siodmak、1900年8月6日-1973年3月10日)は米国の映画監督。
[編集] 生い立ち
父は、ドイツ人の銀行家。一家で米国テネシー州メンフィスに居たとき、彼は生まれる。ドイツのライプチヒで育ち、ドイツ国内で学び、マーブルグ大学を卒業。父の後を継いで銀行家になるが、1925年に米国映画の字幕翻訳家となる。その後編集者を経て1929年『日曜日の人々』Menshen am Sontag (People on Sunday)で監督デビュー。エドガー・G・ウルマーが共同監督、フレッド・ジンネマンが共同撮影、ビリー・ワイルダーも脚本家として参加していた。ドイツ・ウーファ社で活躍するが、ナチスの台頭と共にドイツ国外に亡命。
1940年パリ陥落直前にユニヴァーサルと契約し、B級映画監督として活躍。1943年の『夜の悪魔』はユニヴァーサル後期のホラー映画としても代表的な作品。しかし、名コンビのバート・ランカスターを主演に迎えた「殺人者」(1946)が監督賞を含むアカデミー賞4部門にノミネートされ、大ヒットを記録。以降、その前後はフィルム・ノワールの代表的な監督として活躍、「幻の女」(1944)、「暗い鏡」(1946)、「らせん階段」(1946)、「都会の叫び」(1948)や「裏切りの街角」(1949)などの名作を発表。またランカスター主演の剣劇もの「真紅の盗賊」(1952)も大ヒットを記録した。
しかし、その後ヨーロッパに戻り、フランスや母国ドイツで数多くの作品を発表。時折、ハリウッドに戻り、「地獄道28」(1962)や「カスター将軍」(1967)といったアクション映画も撮った。
[編集] 主な監督作品
- 日曜日の人々-Menshen am Sontag (1929)
- 予審 -Voruntersuchung(1930)
- 人間廃業 - Der Mann, der seinen Mörder sucht (1931)
- 不景気よさようなら - La Crise est finie (1934)
- フロウ氏の犯罪- Mister Flow (1936)
- 夜の悪魔- Son of Dracula (1943)
- 幻の女 -Phantom Lady (1944)
- らせん階段 -The Spiral Staircase (1945)
- 暗い鏡 -The Dark Mirror (1946)
- 殺人者 -The Killers (1946)
- 都会の叫び -Cry of the City (1948)
- 裏切りの街角 -Criss Cross (1949)
- 地獄道28 -Escape From East Berlin (1962)
- カスター将軍 -Custer of the West (1967)